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ヤンソンス&コンセルトヘボウin京都


マリス・ヤンソンスロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の来日公演を聴きに、京都コンサートホールに行ってきた。

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団・京都公演


2008年11月15日(土)16:00
京都コンサートホール


指揮:マリス・ヤンソンス(首席指揮者)
曲目:
ドヴォルザーク交響曲第8番ト長調(作品88)
メンデルスゾーン交響曲第4番イ長調「イタリア」(作品90)
ラヴェル:ラ・ヴァルス


あれ?プログラムが逆?長いものから短いものへというのは通常と逆なのでは?と思ったのだが、これで正解。


ドヴォルザーク交響曲第8番は私は7番に次いで好きな曲で、9番「新世界より」よりも上位(というより9番は聴き飽き気味である)。ヤンソンスはこうしたスラブ系の交響曲とは相性が良いと思った。


熟練のタクトで、硬軟自在。オーケストラのコントロールはもう完璧だった。CDで聴くほかの演奏よりはずっと表情付けが濃く、個性的で、メリハリの利いた音楽作りだった。第2楽章や第3楽章は翳りがあって、消え入りそうな弱音が美しく、第4楽章では今日の秋晴れのように爽快な演奏だった。


メンデルスゾーンの「イタリア」は、第1楽章などは私はメンデルスゾーンの天性のメロディメーカーぶりを見るような一曲で、今日の演奏は、イタリアの陽光が目に飛び込んでくるような鮮烈で軽やかな演奏だった。精密なアンサンブルから伝わってくるこの曲のメカニズムも楽しかった。


ラヴェルの「ラ・ヴァルス」は、きわめて複雑なワルツだが、見事なオーケストラさばきで、ひとつひとつの歯車が精巧に噛み合うかのように精密な一方で、盛大に盛り上がった。素晴らしい燃焼だった。よくホールを鳴らしていたと思う。大編成の曲で、プログラムの最後を飾るのにふさわしい演奏だった。


コンセルトヘボウの音色は、コントラバスとチェロなどの低弦が機能的でズンズン響く一方、ヴァイオリンはやさしく甘い音色だった。フルート、オーボエなどの木管の正確さはさすが。ホルンも非常に安定していた。金管も力強かった。指揮者マリス・ヤンソンスの印象は、センス溢れる指揮者という感じで、器用な部分とコワモテな部分、繊細な部分、エンターテイナーである部分を高いレベルでバランスよく備えているという印象だった。さすが現代を代表する指揮者だ。


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