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ラトル&ベルリン・フィルの幻想交響曲


明けましておめでとうございます。


2009年ももう6日が過ぎようとしていますが、ようやく新年最初のブログです。職が変わったこともあって慌ただしく、年末年始の休みは、いつもの休みと違って遠出せず、ひたすら寝たり、Amazonで購入したオペラのDVDを観たり、テレビで放映していたクラシック音楽のライブ番組を観たり、インドアで過ごしました。


本年もどうぞよろしくお願いいたします。そして健やかに過ごせますように。


◇  ◇  ◇


新年には、歌曲とかワルツとか、ニューイヤーコンサートやガラコンサートで演奏されるような曲や、ドヴォルザーク交響曲新世界より」みたいな気概のある曲がふさわしいのかもしれないが、今日は全然場違いに、ベルリオーズ幻想交響曲を聴いている。


このCDは、サイモン・ラトルベルリン・フィルを振った、2008年の録音で、これがとても良い。


ベルリオーズ:幻想交響曲

ベルリオーズ:幻想交響曲


演奏についての詳しい解説はEMIクラシックのサイト内の以下のページに大変詳しく書かれていて(http://www.emimusic.jp/classic/rattle/=→こちら)、私はそれ以上のことを新しく述べることができないので、詳細については書かない。ただ、いまのラトルとベルリン・フィルが到達した水準の高さを象徴するような素晴らしい演奏となっている。


一言で言うと、「ちっとも幻想的でなく、現実的でゴツゴツとした」幻想交響曲だ。


精緻を極めたアンサンブル、抜群の精度で繰り出される打楽器。唖然とするほど巧くて幅広い表現力を誇る木管金管


サイモン・ラトルは、2002年にベルリン・フィルという「最高の楽器」を手に入れ、10年ぐらいで去ると言われているので、任期のうちの折り返し点を早くも越えたことになる。すでに完成の域にあり、あとは限られた期間でたくさんの録音を残すだけという感じもする。演奏の好き嫌いは別にして、ここまでの確度でオーケストラを掌握するのはすごいとしか言いようがない。


例えて言えば、いままでセンチ単位で精度を競っていたものが、急にミリ単位での勝負になったようで、クラシック音楽の演奏のスタンダードを変えてしまったという印象がするのは私だけだろうか。ともかく、このオーケストラの動向を横目に見て、他のオーケストラは大変だと思う。


さて、CDの話に戻る。


素晴らしい演奏である反面、煽ったり、うねるようなムードとは無縁で、この曲に孕む狂気のようなものが出ていないような気もする。狂気。ミュンシュがパリ管を振った超名盤など、その最たるものだった。だが、ラトルとベルリン・フィルがこれだけの演奏に至る執念もマニアックで、それもいわば狂気の状態と言えるかもしれない。賛否両論分かれそうな演奏だが、聴いてみて損のない演奏だと思っている。


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