「田の家(たのや)」のたこ焼き
大阪のたこ焼き屋、「田の家(たのや)」。
「田の家(たのや」」は、前に勤めていた会社から近いこともあって以前はよく行ったものだったが、出張ばかりの生活になり、その後に転職してから、その界隈に行くことも少なくなってしまっていた。
当時勤めていた会社の先輩が「日本で一番うまい!」と言っていたのを思い出した。なにしろ大阪には無数のたこ焼き屋があるので、本当に一番なのかどうかはわからないが、ミナミの千日前にある、観光客が行列する某店よりは確実においしいと、私も自信を持って断言できる。粉もん(粉もの)文化隆盛の大阪でトップクラスということは、日本でも有数、つまりは世界でも五指に入るたこ焼き屋かもしれない。
先日、ラン・ランのリサイタルに行った時に、この店に寄ることができた。
「田の家(たのや)」は、一軒別の家の挟んで二店あって(本店と支店?)、平日の夜などの繁忙期には両店とも開店し、土日の日中などは一店のみの開店というパターン。テイクアウトのほか、店内で食べることもできる。お酒を飲むこともできて、平日の夜はたこ焼きを肴に一杯やるサラリーマンで賑わう。
ノーマルなタコ焼きに加えて、個性的なメニューとしては、玉子入りの「おやじ焼き」、中華そば入りの「モダン焼き」(お好み焼屋のモダン焼きとは違うので注意。形はあくまでたこ焼き。球体からはみ出す中華そばがタコの足みたいだ)、具だくさんの「五味焼き」などなど。
甘辛い絶妙なソースがおいしさを引き立てる。マヨネーズはお好みでかけてくれる。細かく刻んだこんにゃくが具として入っているのも珍しい。タコの大きさと歯ごたえも文句なし。生地は外は弾力があって、中はとろけるように柔らかい。スーパーなどの露店で売っているたこ焼きは、柔らかい場合でも、中が半生!という場合が少なくないが、「田の家(たのや)」のたこ焼きは、しっかり火が通っているのに中がトロトロに柔らかいという、職人芸的な焼き加減の上手さなので、安心して食べられる。そういえば、生地のつなぎに山芋を使っているというのを聞いたような気がするが、それが関係しているのだろうか。
素晴らしくおいしいたこ焼き屋なのだが、ホームページも開設していないので、ここでは地図を載せておきたい。住所は「大阪市北区堂島3-3-16」で、出入橋交差点を南に行くとすぐにある。関西の人だけでなく、辺りに観光名所はあまりないが観光客にもぜひ足を延ばして訪れていただきたい店である。