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ショパンのノクターン全集


2010年も3月に突入した。そういえば、今年はショパン・イヤーだ。


と、年初の挨拶みたいなことをいまさら言っているのは、前回のブログから3ヶ月も空いてしまったからだ。なんとか生きてますよ〜。


仕事が忙しいのはもちろんだが、子供の世話に手がかかる。子供が生まれるまで、子供とはこんなに手がかかるものだとは思わなかった。(なにを今さらだが)乳児ってほんとに自力では何にもできないんですね。


前から「子供が生まれたら生活が子供中心になる。」と子持ちの知人がこぼしていた。「なんと大げさな」、「気の持ちようで何とかなるさ」と思っていたが、そういう環境になって初めて分かった。これは、気持ちの問題ではなく、物理的なものなのだと知った。


最近よくショパンノクターンを聴いている。主には通勤帰りの車で聴いている(朝だと眠くなるので朝はAMラジオを聴いている)。だいたい夜遅いのだが、夜想曲ノクターン)というキャラクターが状況にがよく合っている。街灯と暗い車内とショパンノクターン


2番や8番などの有名曲もよいが、私は13番が一番好きだ。この作品に漂う何とも言えない寂しさには本当に何とも言えない。他にも名曲ぞろいで、以下に紹介するCDは、全集版なので、自分だけのお気に入りを見つける楽しみもある。


ポリーニノクターン

Nocturnes

Nocturnes

とにかく濃い演奏。ポリーニショパン・コンクールの覇者でもあり、若いころからショパンを録音してきた。若いころのエチュードの録音などは超人的な演奏だが、私は壮年期の、ずいぶん衰えの見えはじめたポリーニの方が好きだ。圧倒的なテクニックが失われた代わりに、ゴツゴツとした濃い味わいが出てきた。この濃さは何なのだろう。私は楽器が弾けないので、ここでの右手と左手の使い方がどうとか言葉で表現することができないが、この濃さは、例えて言うと、西洋人の体臭のようでもあり、解けないパズルのようでもあり、ニーチェの哲学のようでもあり、しつこい恨みのようでもある。これらの複雑な要素が、演奏の隅々にまで行き渡っているような印象である。また、ものすごく強固な建造物を思わせる一方、すぐにゆらゆら揺れる紙一重な部分もあって、バランスの悪さも感じさせる。しっかり造っておいて壊す。確信に満ちた姿勢は感動的である。同じくショパンを得意としたルービンシュタインのような巨匠の歳のとり方と全然違う。しかしそれが壮年期のポリーニの魅力だと感じる。


■ピリスのノクターン

ショパン:夜想曲全集

ショパン:夜想曲全集

ピリスのノクターンはインスピレーションを感じる、鋭い演奏となっている。一流サッカー選手のキレまくるドリブルのようだ。第1番の最初の音を聴いただけで、独特の世界に引き込まれる。これは普通ではないぞという空気が流れている。他のピアニストのどんな演奏を聴いても、1番に関してはピリスがベストだと思う。11番もすごい。


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