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名盤・バーンスタインのチャイコフスキー5


涙なしに聴けない一枚がある。


それがこのCDで、バーンスタインニューヨーク・フィルハーモニックを振った、チャイコフスキー交響曲第5番の録音である。


チャイコフスキー:交響曲第5番、他

チャイコフスキー:交響曲第5番、他


「完全燃焼」というほかには例えようのない演奏で、スタジオ録音であるというのが信じられないほどの、「燃える」演奏となっている。


このCDを初めて聴いた時には、腰を抜かすくらいに驚いた。ムラヴィンスキーの名盤のようなクールに燃える凄演とも、カラヤンのゴージャスな演奏とも違うのだが、なんだかよくわからないが、この入れ込み具合、集中力、オーケストラの燃焼度に、これはただ事ではない演奏だぞと思った。


呼吸は深く、テンポはゆっくりで、美しい旋律をこれでもかというくらい歌う。崩れるか崩れないかのギリギリのところなどという程度ではなく、ずいぶん崩れてしまっているのだが、ビシビシ伝わってくる緊張感がすごい。髪を振り乱し、汗を飛ばして躍動する指揮者と、人知を超えた何かに憑かれたように応えるオーケストラが目に浮かぶ。第2楽章の美しさなどは、涙なしに聴けないほどで、これに慣れてしまったら、他の演奏が味気なくなってしまう。中でも圧巻なのは最終楽章で、冒頭の主題が、大勝利でもって浄化されるフィナーレは、音楽を超えたメッセージのようだ。


とにかく、バーンスタインのしつこさがうまい具合に作用して、変態!?(失礼!)ぎみな音楽づくりが全開の、キレまくりの熱演となっている。ただし、好き嫌いははっきりと分かれるかもしれない。


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