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ピアノ協奏曲の名曲ベストイレブンと名盤


唐突ですが今夜は一度やってみたいと思っていた、ピアノ協奏曲の名曲ランキングをやってみたいと思います(いよいよ迫ったサッカーワールドカップ南アフリカ大会にかけて、ベストイレブンを選んでみた)。


◇   ◇   ◇


私はクラシック音楽のジャンルの中で、「ピアノ協奏曲」というジャンルが好きで、暇なときは、なんとなくピアノ協奏曲を聴いていることが多い。また、好きなピアノ協奏曲がプログラムにある演奏会のチケットを買ったときなどは、ずいぶん前から楽しみで、ソワソワしている。ピアノもオーケストラも好きなので、ピアノとオーケストラという「2大好き」が同時に楽しめるピアノ協奏曲というジャンル。無敵だ。

【ルール】
一人の作曲家につき一作品とする。
(そうしないと、下手するとベートーヴェンだけで5曲が埋まりかねない)
ポピュラーでスタンダードな作品を選ぶ。「裏」名曲のようなものは選ばない(原則。ただし破られることもある)。


モーツァルト ピアノ協奏曲第20番ニ短調

モーツァルトのピアノ協奏曲の中でというばかりでなく、モーツァルトの全作品中でも、一・二を争うくらいの名曲。翳りのある美しさがたまらない。ちなみにモーツァルトのピアノ協奏曲の中で、短調の曲は27曲中2曲しかない。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番&24番

モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番&24番


ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調『皇帝』

私はベートーヴェンのピアノ協奏曲の中では、4番が最も好きで、続いて1番、5番、2番、3番という順番だが、5番を選ばなかったりしたら、方々から石が飛んできそうなので、ここは順当に5番を選んだ。なんといっても『皇帝』である。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」


シューマン ピアノ協奏曲イ短調

美しすぎる旋律とオーケストレーションの不器用さが、危うい魅力を備えている。ピアノとオーケストラが同じ旋律を演奏するあたりなど、シューマンらしさ満点のこの曲。気高く、幻想的で美しいこの曲。

Grieg/Schumann: Piano Ctos

Grieg/Schumann: Piano Ctos


ブラームス ピアノ協奏曲第2番変ロ長調

最近になってようやく、この曲の魅力がわかってきた。以前は1番のほうが好きだったが、いまは2番のほうが好きだ。一言で言うと「しみじみとした回顧」。寂しい後ろ姿が似合う名曲である。

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番、モーツァルト:第27番

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番、モーツァルト:第27番


グリーグ ピアノ協奏曲イ短調

この曲の冒頭の緊張感は比類がない。ピーンとはりつめた空気。背筋が伸びる。「ザ・緊張感」という印象だ。この曲を書いたグリーグノルウェーの作曲家だからと知っているからではないが、いかにも寒いところで生まれた曲という感じがする。

グリーグ&シューマン:ピアノ協奏曲

グリーグ&シューマン:ピアノ協奏曲


ショパン ピアノ協奏曲第1番ホ短調

ピアノ協奏曲として考えるとどうかとも思う。海外有名オーケストラの来日公演でこの曲をやられると、好きなソリストが聴けるという聴きどころはあるにしても、なんとなく「1曲損した」気分になる。多くの場合、オーケストラはムードを演出する程度で、メロディは美しいものの、凝ってもいないし緻密でもなく論理的でもない。つまり通俗的である。だから、ピアノパートの緻密さが際立つ。ピアノはショパンらしくこれでもかというくらい力が入っていて情熱的である。つまり、「オーケストラ入りソロピアノ曲」として楽しみたいのだが、オーケストラをいじりまくった結果表情が濃厚になって成功した例もある。ツィマーマンがオーケストラを組織して、弾き振りした名盤である。

ショパン:ピアノ協奏曲第1番・第2番

ショパン:ピアノ協奏曲第1番・第2番


■リスト ピアノ協奏曲第1番変ホ長調

協奏曲において不器用さが出てしまったピアノの天才・ショパンとは対照的に、もう一人のピアノの天才・リストは大変な器用さを見せる。オーケストレーションは卓越しており、オーケストラの機能をピアノを弾きこなすように使いこなす。デモーニッシュでユーモラス。天使と悪魔が交互に顔を出す。目まぐるしく攻守が入れ替わる。転回と展開。「こういう曲を書く人はきっと性格が悪い」と断言できる。ミステリアスで複雑な魅力が詰まった曲。

Chopin/Liszt: Piano Concerto No. 1

Chopin/Liszt: Piano Concerto No. 1


チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番変ロ短調

ロシア産のピアノ協奏曲の最高峰。厳しく、時に甘く、大らかな曲。あまりにもポピュラーすぎて聴く気にならない時期もあったが、よっぱりいい曲だ。地元の名士がレクサスに乗っているように、とにかく立派な曲。ベートーヴェンの名曲がなければ、この曲も勝手に『皇帝』と名付けたいくらいだ。

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番、他

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番、他


ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番ハ短調

ただの美しい曲と思って聴くとやけどする。第2楽章の死んでしまいそうな薄倖の美しさ。また、第3楽章のフィナーレ近くのうねるような盛り上がりは想像を絶する。初めて聴いたとき、腰を抜かしそうになった。音楽を全身に浴びて魂を支配されるようだった。


サン=サーンス ピアノ協奏曲第2番ト短調

この曲だけ完全に個人的な好み。好きなんだから仕方がない。保守的で通俗的な曲かもしれない。飽きやすい曲かもしれない。でも好きなので仕方がない。

サン=サーンス:ピアノ協奏曲全集

サン=サーンス:ピアノ協奏曲全集


ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調

全然関係ないが『時計仕掛けのオレンジ』という映画を思い出した(しかも観ていない)。一言で言うと「自動巻きの交響曲」。なんとなく時計っぽい。あるいは、産業革命のころの最新鋭のピアノ協奏曲。工場の中で生まれた曲といわれても信じる。また、なぜか高校の数学も思い出す。適度に難解そうだ。聴いていると頭が良くなってきそうな曲。

ラヴェル:ピアノ協奏曲、他

ラヴェル:ピアノ協奏曲、他


以上、11曲。どこに出しても恥ずかしくない、立派なベストイレブンだ。


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