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レッド・ガーランド


私はクラシック音楽を聴く前は、ジャズ愛好家だった。最近、仕事の帰りが遅くて、帰りの車の中ではクラシック音楽よりもジャズの方が合っていて、再びジャズを聴いている。暗い車内が、まるでジャズバーにいるようで落ち着く。酒でも飲めたら最高なのだが、いくらなんでもそこまで要求できない。ジャズを聴きながら酒を飲みたいならジャズバーにでも行った方がいい。だから缶コーヒーで我慢している。


レッド・ガーランドは1950年代に活躍したジャズピアニストで、右手のシングル・トーンの美しさに定評があった。ジャズ史での位置ということでいうと、ジャズの音楽的な発展を進めたというような巨匠ではないが、能力の及ぶ範囲で、趣味のよい優れたアルバムをいくつも残している。


カリスマ的な音楽家ではないが、ジャズファンにはそれなりに人気のあるジャズ・ピアニストで、私も彼の演奏がかなり好きだ。


私が好きなのはその音で、レッド・ガーランドは一度聴いたら忘れられない音を持っている。そのタッチは「玉を転がす」ようなタッチと言われている。「玉を転がす」というのが具体的にどんな音を指すのかは分からないが、聴いてみると確かに「玉を転がしてるよな〜」と思う。冷静に考えるとつかみどころのない表現だが、「玉を転がす」ような、としか例えようのない、なめらかで、粒のそろったタッチをしている。


グルーヴィー

グルーヴィー

『グルーヴィー』は、ジャズ喫茶店主が推薦するような、よく知られたジャズ名盤。1曲目「Cジャム・ブルース」の、徐々に盛り上がっていく爽快な演奏が聴きどころ。くつろいだ感じで始まるのだが、最後には熱くなっていくところがジャズっぽい。コンサートホールではなく、小規模なジャズバーが似合う快演。


『ア・ガーランド・オブ・レッド』は、「マイ・ロマンス」、「恋とは何でしょう」、「九月の雨」などのスタンダード曲がメインで、レッド・ガーランドの趣味の良さが全開に出ている。『グルーヴィー』の「Cジャム・ブルース」のように突出した演奏はないが、聴いた後に肩こりがとれるようなリラックスした演奏を楽しめる。


クッキン

クッキン

マイルス・ディヴィスのアルバムだが、レッド・ガーランドのピアノが光る。1曲目「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」の冒頭はピアノで始まり、「ああこれが『玉を転がす』ようなタッチか」と感動する。マイルスのトランペットはしんみりとしていて、「染みわたる」という感じである。


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