堺ラーメン・龍旗信の塩ラーメン
地元に人気ラーメン店がある。『龍旗信(りゅうきしん)』(→お店のHPはこちら)という店だ。初めて行った時にはそれほどおいしいと思わなかったが、久しぶりに訪れると、私の好みが変わったのか、以前よりもおいしくなったと感じられて、ときどき行くようになった。
ムール貝のエキスと富田林産の鶏をベースに、泉州の野菜や昆布、干しエビ、干しシイタケを煮込んで作るスープは、限定メニューを除くと塩オンリーで、醤油ラーメンや味噌ラーメンはメニューにない。ともかく、ムール貝というのがちょっと珍しい。
ここのラーメンは一言で言うと「評価の高いラーメン」。
実際、ラーメン本やタウン情報誌などでもかなりの高評価で、昔じわじわと評判になってきた頃には、堺の海側にある石津という地域の小さな店に、ムール貝の塩スープを求めて関西中から客が集まった。いまでは3店舗に増えているが、「本店しかおいしくない」などといった、店舗によるクオリティの差はないと思う。関西で非常に高く評価されているラーメン店のひとつだと言える。
食べてみると、時間とお金をかけて作ったスープという印象を持つ。「まずい」わけではないが、「おいしい」というのとは違う。だが、「おいしくなく」はなく、どちらかといえば「おいしい部類」に入る。でもそれも違う。言葉でもっと正確に表現すると、「なんかありがたい」感じの味。…。複雑な味。う〜ん、難しい。「評価の高いラーメン」という表現がもっともしっくりくる(わかりにくい例えでスミマセン)。
摩周湖並に透明度の高いスープ。塩ラーメンなのに塩辛くなく、ハマグリの吸い物のようにあっさりとした味に酸味がプラスされている。特筆すべきは、ラーメンを食べた後に感じるピリピリとした感覚がない。きっと化学調味料を控えているからこういう味になるのだと思う。麺は自家製のストレート麺。弾力、茹で加減、申し分ない。麺はおいしい麺だと断言できる。全体的に「オッ」という驚きはないが、「ホ〜」という感心がある。野球選手に例えるとホームラン打者ではなく、アベレージ打者。こういうラーメンも時々食べたくなる。この味は好感が持てる。毎日食べても飽きないラーメンとは、こんなラーメンなのかもしれない。
つけめんもメニューにあって、こちらのタレも塩味で、ラーメンのスープよりもねぎ塩カルビみたいな酸味があって、これはこれで美味しい。というよりも最近はこっちが好み。