アルバ・スプーン→ワイアード・スプーン
1990年代に大ブームを巻き起こした腕時計『アルバ・スプーン』が、『ワイアード・スプーン』となって復活した。
ある商品が急に売れ出す『ブーム』というものは、その浸透の度合いに応じて、「流行にかなり敏感である」→「持っているとセンスが良い」→「流行は押さえているな」→「いまだに持っているのか」→「持っているとこっ恥ずかしい」→「そんな商品のことは忘れた」という変遷を辿りながら、だいたいが無残に終わる。私も1つ持っていたアルバ・スプーンを大事に保管していたが、社会人になってからはさすがに身につける気にはならずに、いつの間にか切れていた電池に気づいた時に、未練なく捨てた。
大ヒット商品の誕生から終焉までのストーリーには後日談があり、それは一定期間過ぎた後のリバイバルであった。新しいスプーンは、セイコーからワイアードのブランドで販売が開始された。このニュースはそれなりに報道された。懐かしいスプーンの復活を知り、私は衝動買いしてしまった。
コンセプトは基本的には同じ。シンプルで飽きのこないデザインは健在である。豊富なカラーバリエーションが現代っぽい。着け心地はかなり良くて、腕に程よくフィットする。ワールドタイム、アラーム、ストップウォッチ、機能も一通りそろっている。これで電波時計だったら最高だが、電池の持ちは3年程度。しかし3年後には、「持っていると恥ずかしい」になるかもしれないので、電波時計でないぶん価格が抑えられているのでこれはこれで良いかもしれない。ネットで買うと10,000円でおつりがくるし、いまなら話題にもなるので、いま着けないと損だという見方もできる。それ以上に、懐かしさがいっぱいである。私は買ってけっこう満足している。