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『グリルばらの木』


『グリルばらの木』は、大阪の心斎橋にある老舗洋食店だ。私にとっては、土曜日や日曜日に出勤して、昼間で仕事したときなどに、遠まわりとなるにもかかわらず、高速道路に乗って道頓堀の出口で降りて、近くのコインパーキングに車を停めてから行く店であり、つまり、わざわざ出掛けていく店である。



第一に、この店の何が良いかというと、カウンターだけの店という点である。信州のログハウスのような雰囲気の店内にはカウンターのみ。薔薇がデザインされたステンドグラスの明かりがいくつも吊るされているのが、店の名の由来。調理スタッフは2人。ジェダイ・マスターとジェダイの騎士のように、ベテランと若手。店の伝統を伝える伝道師である。寿司屋でも割烹でもイタリアンでも、カウンターは料理人と客との真剣勝負という感じがする。「どうだ!」「う、うまい!」という心の中でのやり取りが浮かんでくる。


第二に、味も素晴らしい。50年前から同じ製法で作られているデミグラスソースは、門外不出の味。


そして第三に、量がそれほど多くない、というのが良い。ハンバーグもやや小ぶりである。若い頃と違って、最近は、たくさん食べるより、本当においしいものを少量食べる方に価値を置くようになってきた。


この日のランチは、Aランチが『和牛ハンバーグとエビフライ2尾』が1,250円で、Bランチが『和牛ハンバーグと真鯛のクリームコロッケ』で1,500円だった。私は後者をチョイス。これにライスとスープが付く。スープは日替わりで、夏はポテトの冷製スープ、冬はコーンポタージュなどが付く。



ハンバーグは一口食べただけで違いがわかるクオリティーだ。和牛のハンバーグは荒目にミンチにされている。つなぎが少なめで、肉のうまみが完全に伝わってくる。和牛の味がよいというのがよくわかる。柔らかくて、噛んで飲み込むのに何の苦労もない。デミグラスソースは50年の重みを感じる、深遠な味である。8割の冥加に2割の晦渋という感じである。口の中に入れたとき、数秒間は目を閉じて、瞑想したくなる。


そして真鯛のクリームコロッケ。クリームコロッケって好きである。さらに真鯛というのが珍しい。クリームソースは濃厚で弾力があり、真鯛が豪勢に旨みを引き立てる。贅沢である。


これで1,500円は価値がある。そんなわけで、遠回りして何度も訪れている。

『グリルばらの木(ばらのき)』
住所:大阪府大阪市中央区東心斎橋1-16-14ばらの木ビル1F
営業時間:11:30〜15:00/17:30〜21:00(O.S.)
定休日:月曜日

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