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小澤征爾&サイトウ・キネンの『運命』


小澤征爾氏が振るサイトウ・キネン・オーケストラによる『運命』のCDを聴いている。これはすごい演奏だ。


音源は、2000年9月のサイトウ・キネン・フェスティバルのライブ演奏である。


ベートーヴェン:交響曲第5番<運命>&7番

ベートーヴェン:交響曲第5番<運命>&7番


まず、こんなになめらかでスムーズな運命は過去になかった。『運命』なのに、こんなにつるっとしていていいんだろうかと感じるほどだが、これはくせになる。自然の摂理に基づいて高いところから低いところへ流れる春の清流のように、無理がない。無理のなさ。これが最大の特徴だ。過度にドラマを作ろうとすると不自然になる。楽譜を再現するだけだとつまらない。指揮者の腕のみせどころだ。楽譜の読み。練習。調整。かけた時間は裏切らない。それをベースにどこまで上積みができるか。演奏当日の集中と爆発。名演に欠かせないピースがすべて奇蹟的に揃ったかのような素晴らしい演奏となっている。


クラシック音楽の超名曲、泣く子も黙る『運命』なので当然、相当に燃焼しているのだが、汗臭さがなく、若い人がするスポーツのように若々しい。テンポ設定はかなり早めだが、せかせかした印象は全然なくて、スマートだ。


併録の7番も悪くはないが、5番の出来の良さは圧倒的である。7番は5番のだいぶ前、1993年の録音であり、サイトウ・キネン・フェスティバルが始まってまだあまり月日が経っていない頃だった。そんなこともあってなのか、5番の演奏ほどのは完成度は感じない。


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