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キヤノンS100で撮る神戸(夜編)


カメラを1つだけ持って出掛ける旅行にあこがれる。よく写真雑誌などでは特集される企画で、高性能のデジタル一眼レフにズームレンズを付ける代わりに、例えば、デジタルのオリンパスPENに単焦点レンズ一本だけを付けっ放しにして撮るパリだとか、GR DIGITALだけを持って出かける南国だとか、たいへん印象的だ。こうした、不便さによってもたらされる肝の据わり方、あるいは魂の自由闊達な発現は、時として、忘れられない一枚を生む。


いくつも持っていくのではなく1つだけというのが潔い。その1つもできることが限られているカメラが良い。主役が旅で、カメラは脇役。隅々までよく写る高性能で巨大な一眼レフは実は旅にそぐわない。私も振り返ってみると、一眼レフを持って出かけた旅よりも、京セラ・コンタックスのT3という小さなカメラを持って出かけた旅が一番印象に残っている。



最近新しくコンパクトデジカメを買った。先日、オリンパスペンE-PL3を買って満足していたのだが、日頃鞄に入れて持ち歩くカメラを探していた。画質がよくて、高感度に強く、手振れ補正付きで、オートでそこそこ撮れて、マニュアルでも撮れる。あと、私は料理を撮影するので、料理が撮れる(=寄れる)カメラでなければならない。持ち歩き用としては、もともと私はRICOH DIGITAL IIIを持っているのだが、それよりも小さくて簡単なカメラが欲しかった。そんな観点で選ぶと、キヤノンS100くらいしかなかった。


仕事も忙しく、どこかに出掛けて行って撮る機会もあまりなかったのだが、今日は早く職場を出ることができたので、仕事帰りに神戸の三宮まで走った(車で)。旅行どころか小旅行でもないが、新しいカメラを試すことができるのは嬉しい。


神戸って好きだ。まず都会だし、中華街(南京町)もあれば、西洋風の通りもある。私は海の近くで育ったので、何より、海が間近であることに親近感を覚える。カモメ。汽笛。灯台。海辺のポートタワー。海の匂い。時折迎える南からの潮風が気持ちいい、なんていうのは普段のことで、今日は高速道路に「横風注意」の警告が出るほど、風が強い日だった。



南京町は平日なのに賑やかだった。そうか。いまは春休みか。大人になると休みの季節を忘れる。あんなに楽しみだった休みなのだが。その春休みももう4月を迎えようとしている。


このカメラは高感度もそこそこ撮れる。あとは手振れ補正がかなり強力だ。「強引にぶれさせようと思ってもなかなかぶれない」と言ったら、そのレベルの高さが伝わるだろうか。



基本、オートで撮影。絞り優先やシャッター優先もできるが、いろいろ試した結果、オートで撮るのが一番写りが良いことに気付く。ホワイトバランスを外さない。オートが賢い。この2年くらいのコンパクトデジカメの進歩はすごい。少し前の一眼レフを超えている。



せっかくの南京町なので夕食は中華料理に決めていた。キヤノンS100は、料理がきちんと撮れる。24ミリという画角は料理には最適というわけではないが、ぐっと寄ることができる。もちろんズームもあり、35〜45ミリくらいが料理にはぴったりかもしれないが、まだ使いこなせていない。この料理は『海星』という店の「海鮮焼きそば」。1,350円。高価だが、内容を考えると納得できる。巨大な貝柱、イカ、エビが3つずつ入っていた。味は中国で食べる焼きそばを想像していたが、それよりずいぶん食べやすく、おいしかった。日本人の味覚に合わせられていた。


変な話だが、ハッキリ言って、関西の代表的な中華街である南京町に、「抜群においしい中華料理の店」は存在しない。本当においしい中華料理を食べたければ、一流ホテルの中とか、別のところに行った方がいい。でもこの雰囲気は他には代えられない。中国の食堂で食べているかのような錯覚が心地よい。



元町の大丸のあたりは、西洋の雰囲気の漂うエリア。神戸の夜は大阪に比べるとだいぶ早い。百貨店もショップも8時には閉まってしまう。そうなるとこの辺は人が少なくなって、深夜の都心の官公庁街のようになる。



歩きながら写真を撮る。これを撮ろうとか思い詰めているわけでないので気楽だ。目に留まったものの前でシャッターを切る。しかもこのカメラは持ち運びが苦にならない。良いカメラを見つけた。


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