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京都・祇園散歩/一澤信三郎帆布/建仁寺


先日、仕事が休みだった日に、京都に行ってきた。目的は、『一澤信三郎帆布』の鞄を買うことだった。『一澤信三郎帆布』はクラウド・コンピューティング全盛のユビキタス(死語?)社会の時代には珍しく、店まで行かないと商品が買えない(カタログ通販は行っているが不便)。しかし逆にそのことがブランド性を高めている。


店は祇園から近い。せっかく、祇園界隈を歩くことになるので、カメラを持って家を出た。


◇  ◇  ◇


京阪電車の駅『祇園四条』に着いた時点で、昼を食べてもいい時間だった。せっかくの京都での昼食は、ミシュラン一つ星の江戸前うなぎの名店『ぎをん梅の井』にしようか、ビーフシチューの『銀之塔』にしようか迷ったが、『レストラン菊水』で食べることにした。洋食を食べたい気分。夜は高価だが、ランチはリーズナブルなセットメニューもある。



冷製スープに、サラダ、揚げ物、ビーフステーキ。揚げ物は鱧のフライである。季節だし京都らしい。それに食後のコーヒーが付く。これで850円は安い。


『レストラン菊水』は、昔のパーラーみたいな雰囲気の店で、最近のオシャレ洋食の店とは全然雰囲気が違っていて逆に新鮮。そういえば、この店でやったレストランウェディングに参列したことがある。さて、こんな店だったかと、全然記憶にない。と思えば、ああ、あの時は上の階だったと思い出す。


祇園界隈は、四条通や花見小路には老舗が数多く軒を連ね、舞妓さんも歩いているが、北に上がるといかがわしい店が増え、客引きが現われ、油断ができない。しかし5分も歩くと実に京都らしい風景に出会うことができる。



この一角、祇園新橋と呼ばれるエリアは、お茶屋が軒を連ねており、「伝統的建造物保存地区」に指定されている。 柳、川、お茶屋、老舗旅館。京都の重要キーワードのいくつかがここに集中している。



京情緒を色濃く残すエリアである。歩いていて楽しい。



祇園からは建仁寺が近いので、折角なのでお参りしてこようと思いたった。建仁寺は京都最初の禅寺で、庭と屏風が有名である。俵屋宗達による『風神雷神図屏風』があるお寺だ(実際に飾られているのはレプリカ)。その他、海北友松による襖絵、狩野山楽による屏風など、実物を鑑賞することができる。



庭園「潮音庭」。そういう名前を聞いたからではないが、なんだか音楽的な要素を感じる庭だ。室内楽のコンサートを小さなホールで聴くような感覚を持った。美しい庭を部屋の中から眺めるのが最高。



今日京都に来たのはこれが目的ではなかったのだが、庭にとても感動した。修学旅行生が多数来ていて、みんな庭の写真を撮っていた。やっぱり美しいものを美しいと思う気持ちに年齢は関係ない。そういう美しさに反応する感性のある中学生はきっといじめなんてしないし、人の心のわかる子だ。



方丈の南に位置する法堂には、2002年に創建800年を記念して日本画家の小泉淳作氏によって描かれた天井画『双龍図』がある。法堂に入って見上げた天井に描かれていて、圧倒される。これはすごい。



4つの目に睨まれるようだ。



本来の目的に帰ろう。今日の目的は『一澤信三郎帆布』でカバンを買うことだった。四条通を東に歩き、八坂神社前を北上する。歩いて10分程度で店に着く。



一澤信三郎帆布』といえば「お家騒動」で、その、世間を騒がせた「お家騒動」も決着がつき、現在は、お家騒動の賜物となった『信三郎』印のカバンをメインに、従来の『一澤帆布製』を加えた、いわば2つのブランドでの展開を行っている(ブランドのアイコンは現在3つある)。


店に入ると、平日なのにけっこうたくさんのお客さんがいる。京都観光の目的地のひとつとなっている。展示されている商品は、老舗の余裕だけでなくて、いまの勢いを感じるものだ。定番商品に加え、いままでなかったようなデザインの商品もあって、店ごと買いたい気分にさせられる。



わたしはこのカバンをネットの紹介ページで見て最初はヘンテコなデザインと思ったが、次第に独創的なデザインだと感じるようになり、「欲しい」気分が日に日に高まっていった。実物を検討してから購入しようと決めていたのだが(店に行かないと買えないので)、ここに来た時点で勝負は見えていた。買わずに帰るという選択肢はなく、「買いたい」気持ちが圧倒的大差で勝った。


おいしいランチも食べることができ、美しい庭を堪能し、狙っていたカバンを買うことも出来て、花丸の休日となった。(ただしカバンのカード払いの請求は翌月に来る。)


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