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ホロヴィッツの3大ピアノソナタ集


そういえばこのブログでは伝説的な(昔の)演奏家や指揮者についてはそれほど書いてこなかった。現役の音楽家は実演に接することができるし、最新の録音は音質も素晴らしいので、CDの紹介でも現役の音楽家に比重を置いた紹介が多かったし、実際に自分が聴くときも新しい録音をよく聴いていた。


しかし時には、フルトヴェングラーベートーヴェンを聴きたくなるし、ルービンシュタインショパンも聴きたくなる。


ホロヴィッツベートーヴェンピアノソナタ集もそうだ。昨日、無性に聴きたくなって、聴き浸っている。このCDには『悲愴』『月光』『熱情』の3曲が収録されている(シューベルトの作品も入っている)。


ウラディミール・ホロヴィッツは20世紀の初めに生まれ、1980年代の終わりに死んだウクライナのピアニストで、ラフマニノフバックハウスグレン・グールドリヒテルらと並んで、世界最高峰に位置する伝説的ピアニストである。もっと言うと、(好みはあるかもしれないが)過去から現在に至る歴史において、ピアニストという職業のトップかもしれない。


そんなピアニストが残した、ベートーヴェンの『悲愴』『月光』『熱情』3大ピアノソナタ集がある。この演奏を一言でいうと、「剛腕」。楽聖ベートーヴェンの音楽を、知力と体力で捻じ伏せるかの如く、弾き切った、迫力ある演奏だ。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ「月光」「悲愴」「熱情」他

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ「月光」「悲愴」「熱情」他


馬力のある演奏は、最近の巧いピアニストに慣れた耳に新鮮だ。気迫が違う。弦が切れるのではないかという力強いタッチ。ピアニシモの儚い美しさ。曲をまとめあげる構成力。鍵盤に対する支配力がずば抜けている。圧巻の演奏だ。


そんな「剛腕」ホロヴィッツだが、演奏にはムラがあったという。晩年に待望の来日を果たすも、聴衆の期待を裏切る凡演で無残な姿を晒し、吉田秀和氏が「ヒビの入った骨董品」という名言を残した。伝説的なピアニストはエピソードにも事欠かない。


そんなふうに、昔の録音を聴いた。ホロヴィッツバックハウスグレン・グールドルービンシュタイン。彼らが活躍した20世紀はクラシック音楽にとってなんと豊かな時代だったのかと思う。


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