カメラ旅・初夏の京都編
新しいカメラを持って出かける日帰りカメラ旅。今度は京都に出かけた。
オリンパスOM-Dシリーズの『EM-5』を買った話をブログに書いた。カメラの新鮮さは次第に薄れてくるが、使い慣れてきて、そのカメラの持つ色がだんだんと自分のものになってくる。借りてきた猫みたいによそよそしかったカメラが自分の道具となっていく。
■泉涌寺
天気予報では降らない予報だったが、時折強い雨の降るはっきりしない天気。しかし雨が陰影を与えていた。お寺に雨は合う。しっとりとした空気が良かった。
泉涌寺の大門を抜けて、仏殿に至る参道が私はとても好きだ。階段ではない、ゆるやかな下りの砂利道で、これから拝観する仏像や庭園への期待が高まっていく。泉涌寺は素晴らしい仏像を擁している。とくに著名なのは観音堂の楊貴妃観音と、仏殿の運慶作と伝えられる阿弥陀・釈迦・弥勒の三尊仏だ。三尊仏は過去・現在・未来の三世にわたり人々の幸福を祈願する、ありがたい仏様だ。
泉涌寺には皇室にゆかりのあるお寺に共通する落ち着いた雰囲気がある。玉座のある御座所の庭園は見事という他に表現しようがない。新緑の季節だが、一言で新緑といっても、様々な色の新しい緑があることを知った。
今熊野観音寺の参道。西国三十三ヶ所の聖地である。
■東福寺
東福寺の方丈北庭。重森三玲作の昭和の庭で、幾何学的なデザインがモダンである。この庭を見ると、天才の仕事としか言いようがない。
■光明院
門前に、「多勢入山者はこのみません。庭の自尊心を傷つけますので是非にと思われる方以外どうでもよいと思われます方は入山しないで下さい」と書かれた看板が立てられている。そんな庭は他にはなかった。以前に初めてこの辺りを通った時、自問というよりは、わけのわからなさを感じて行けなかったのだ。
波心庭。東福寺と同様に重森三玲作だ。今回は、この庭を是非に見たかった。自問しても確かに見たかった。結果的には怖いことは何もなかった。拝観料も設定なし。受付も閉まっていて、見たところお寺の人もいない。「目安は300円です」と書かれた竹筒の中にお金を入れる。
同じ場所からレンズを繰り出して撮影。接近すると印象がまた違ってくる。
感じたのはこの庭がとても広いということだった。予想していたよりずっと広い。そしてどの角度から見ても絵になる。厳かであり、静かである。ブルックナーの交響曲のアダージョ楽章のように静謐な雰囲気である。私が拝観している間、20分くらいだろうか。他には誰も訪れなかった。お寺の人も含め、誰とも顔を合せなかった。
■芬陀院
芬陀院。別名、雪舟寺という通り、雪舟作の貴重な庭だ。右は、茶室・図南亭の窓から見える光景。視界を遮る、全部を見せないということが、対象の美しさを際立たせる仕掛けとなっているみたいだ。
■天得院
春と秋に特別拝観を行っている。現在、「桔梗」の庭の特別拝観を行っていた。私は花の庭というのがこんなに美しいものだとは知らなかった。
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1日終わるころには一段とカメラが自分のものとなってきたようだった。また週末のカメラ旅が楽しみになってきた。