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シャイー&コンセルトヘボウのブラームス


久しぶりにブラームスを聴きたくなって、リッカルド・シャイーが振るコンセルトヘボウの全集を持って、カーステレオで聴きながら出かけた。


4 Symphonies (Coll)

4 Symphonies (Coll)


一言でいうと、この全集は「花のブラームス」である。彩り豊かで、若々しく、躍動感に満ちている。


夏にはブラームス交響曲は「ちょっと重くて」と感じることもある。しかし、シャイーとコンセルトヘボウの演奏は、重くなくて、暑苦しくもならない。世界でもトップクラスの演奏能力を誇るコンセルトヘボウと、天性のメロディセンスを持つ指揮者シャイーにかかると、ブラームスが生まれ変わる。匂い立つくらいに咲き乱れる花の森のようだ。


1番は、テンポはやや速めに一定していて、もったいぶらないところが好きだ。1番というと重厚な曲だが、この演奏では重さよりは逞しさが優る。若々しくて、瑞々しい。思い詰めたところは一切なく、ドライブに例えるなら、スマートに山道をワインディングするような演奏だ。


2番。私が最も好きな曲だ。私はこのCDを京都にドライブする途中で聴いたのだが、2番は真昼の時間にぴったりだった。シャイーの音楽づくりはスタイリッシュ&カラフル。その時間、私は蒸し暑い夏の日本ではなく、ヨーロッパにいるようだった。


3番と4番。ジメジメせずに派手に激烈に悲しいところがこの演奏の特色だ。日が傾いてくると、3番や4番が驚くほど合ってくる。西日に射されながら、これらの曲を聴いていると、大人向きで、本当にいい曲だなあと思う。昔は4番が苦手だったこともすっかり今では忘れている。


よく自分が撮影した写真の画像処理をする時に、色の濃さをプラス補正することがある。やりすぎると画像が破たんするが適度な補正をすると、写真が鮮やかになる。シャイーの音楽はそうやって美しくなった写真に似ている。鮮やかに歌い上げる才能は天性のものだ。


このCDは、全集としてはジャケットがコンパクトであり、ブラームス肖像画を使用したデザインもコストをかけずに済ましたことのがわかるとはいえ、センスはよい。大評判になったとは言えない全集だが、私は以前からよく聴いていて、この間、あらためて聴いてみて真夏に合うブラームスの演奏を発見したようだった。


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