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信州の旅(2)


信州旅行の2日目は、長野市まで足を延ばした。ここ数年、神社仏閣巡りを趣味としていたことに加え、この1年間は御朱印集めが新しい趣味になってきたので、日本でも有数の名刹善光寺を訪ねてみたかった。



善光寺本堂。側面が正面にあるような独特の様式。


善光寺の歴史は、舒明天皇の時代に、廃仏派の物部氏によって難波に打ち捨てられていた一光三尊阿弥陀如来を本田善光が信濃に持ち帰り祀ったことから始まる。皇極天皇の時代に、現在の地に移り、勅願により伽藍が整備された。


善光寺の歴史を調べてみると、それは火災の歴史だった。戦国の乱世に翻弄され、焼かれ、その度に、全国の信者から支えられ立ち直っている。本尊も織田家、徳川家、ついで豊臣家の手に渡り、一時は京都の方広寺の本尊に据えられ、善光寺は長く本尊不在の時代を過ごすことになる。しかしその本尊阿弥陀如来が太閤秀吉の枕元に現われ、善光寺に戻りたいと告げる。こうして本尊は元あった場所に戻されることになる。江戸期になって善光寺はようやく安定の時代を迎える。徳川家康により寺領千石の寄進を受けて現在の姿の原形ができる。



山門。


善光寺は特定の宗派に属さない無宗派の寺院で、山内の寺院が共同で管理運営している。



仲見世通り。善光寺の参道。土産物屋、食事処、旅館、観光向けの店に交じって、数珠などの仏具店もある。中世そのままとはいかないが、昔の寺内町のイメージが膨らむ街並みだ。


善光寺には良い意味で堅苦しさがないというか敷居の高さがなくて、庶民(つまり私)に開かれたお寺、というイメージを持った。俗生の延長線上にある、というと言い過ぎかもしれないが、ドラッグストアで歯磨き粉を買った後にお参りにちょっと寄れるような気軽さを持ったお寺という雰囲気を感じた。



有名な『丸清』というお店で、長野名物のソースかつ丼とそばの定食をいただいた。ソースは酸味がある昔ながらの日本のソースだ。


◇  ◇  ◇


善光寺の後は、『長野県信濃美術館・東山魁夷館』に行ってきた。


【長野県信濃美術館 東山魁夷館のホームページはこちら】


9月末であったがまだ30度近い暑さで、美術館に着くころには疲れていて、外観の写真すら撮らなかった。この美術館はさすが日本でも有数の東山魁夷コレクションだけあって見ごたえがあった。善光寺を歩いた疲れが癒えた。


幻想的で静謐。私の頭の中では静かに音楽が鳴っていて、物語が始まっている。傑作揃い。『白馬の森』。『静唱』。『緑響く』。なんて素晴らしい絵なんだろう。昔はあまりピンと来なかったが、それは私が幼かったからだ。心に染みるような芸術を味わった。


これらの絵があまりにも良かったので、帰るまで待てずに旅先からAmazon東山魁夷の解説本を注文した。



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