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六波羅から六道、そして清水へ


最近、休みがあると、京都によく出かけている。9月末に京都に行ってきた話を書いていなかったので、1か月近くも前のことになるが、書いてみたいと思う。


お寺の庭や仏像を観るのが好きなので、京都や奈良には時々行っていたのだが、最近になって、奈良には「行き尽くした」感を感じ(室生寺に行っていない他、残りは非公開のお寺くらい。室生寺には11月に行こうと思っている)、ターゲットが京都に変わってきた。意外に、車でも電車でも大阪からそれほど遠くないので、頻繁に行くようになった。


先日は、京阪電車の『川端五条』で降りて、二つの特徴のある寺院から清水寺まで歩き祇園に抜けて『祇園四条』から帰るコースを考えた。メジャーどころばかりでは強弱がなくなり却ってつまらない散策となるので、メジャーどころに3つくらいミニ寺を付けるのが、最近、コースを考えるポイントとなっている。



一つ目の特徴あるお寺。六波羅蜜寺。「六波羅蜜」とは、仏になるための6つの修行のことだ。歴史は古いがお堂などの建物は再建によるもので、京都らしい風情は薄い。しかし西国三十三か所の礼所であり、お参りに訪れる人は絶えることがない。観光地ではなく、リアルタイムで信仰の場所となっている。空也小人像、平清盛像などの、仏像好きにはよく知られている有名仏が宝物収蔵庫で待っている。



二つ目の特徴あるお寺。六道珍皇寺平安時代にはこの地は、死者の埋葬地であった鳥辺野に至る道の途中にあった。「六道」とは、地獄道、餓鬼道、畜生道修羅道、人道、天道の六つの冥界のことで、六道珍皇寺があったこの辺りにその分岐点があって、「六道の辻」と言われた。平安時代の公卿・小野篁が毎晩、お寺の境内の井戸を通って、この世とあの世を行き来していたという伝説が残っており、その井戸が現在も敷地内に残っている。六道珍皇寺は、いまでも、盂蘭盆の前に死者を迎える「六道参り」の行事でよく知られている。



メジャーな清水寺。いつも混んでいる清水寺。もともと混んでいて、紅葉や桜の時期は休日のディズニーランドみたいになる清水寺。写真に人が入らないようにするのに苦労する。何度も訪れている清水寺。しかし行ってみるとやっぱり良い。久しぶりに行ったが、ここ以上に自分がいま京都にいる実感を感じられる場所はなかなかないだろう。清水の舞台から京都市内を眺めた時、舞台を眺めた時、京都に来た嬉しさを噛みしめる。



現在修復中の奥之院の前の参道から舞台を眺める。ちなみに奥之院の本尊は秘仏であり、2003年に実に243年ぶり(!)に開帳された。私は写真でしか見たことがないが、ミステリアスな表情で神秘的な形をしていた。果たして生きているうちに見ることができるだろうか。



高い舞台を下から見上げてみる。



清水寺を後にした私は、二寧坂を歩いて、北に向かっていく。高台寺は去年行ったのでパスして、法観寺八坂の塔のあたりを歩いて(八坂の塔の拝観も。中に入られる)、祇園に抜ける。



遅めの昼食は、『銀之塔』でいただく。銀座でよく知られる『銀之塔』に、祇園の店がある。北山にも『銀之塔まじま』という、暖簾分けのお店があったが、そちらは閉店してしまった。


祇園の店だけのメニューだというローストビーフ付きのセット注文する。このローストビーフはおそらくロンドンでも食べられないような最高レベルの自家製ローストビーフで、最高の熟成具合と適度な弾力。自然に笑顔になってしまうようなエレガントな旨みを持っていた。シチューは洋風のシチューではなく和風ダシがベースのなったビーフシチューで、ご飯が進む。そろそろシチューを食べたい季節になってきたと実感する。具の中にはタンも混じるサービス精神に溢れたもので、ビーフシチューだけでなくタンシチューも食べたような満足度だった。


遅めの昼食を食べた後、もう一つ二つくらいお寺にお参りする時間があったが、今日はこれだけで満足してしまったので、後に何を足しても蛇足。帰ることにした。


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