『RICOH GR limited edition』
一目惚れだった。『GR DIGITAL』シリーズから映像素子のサイズが一気にAPS-Cサイズにジャンプアップした、新しい『GR』について、気にはなっていたものの、価格の高さと、やや大きくなった本体サイズのため、購入をためらっていた。そんななか、限定モデルのリミテッド・エディションが発表された。グリーンが渋い。渋すぎる。何とも言えない、この微妙な色。焼き物とか工芸品のようだ。私は衝動的に予約した。価格の高さはもう忘れていた。
■リミテッド・エディション
RICOH デジタルカメラ GR Limited Edition 全世界5,000台限定 グリーン色ウェーブトーン APS-CサイズCMOSセンサー搭載 175820
- 出版社/メーカー: リコー
- 発売日: 2013/11/22
- メディア: エレクトロニクス
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■ブラック・モデル(標準)
RICOH デジタルカメラ GR APS-CサイズCMOSセンサー ローパスフィルタレス 175740
- 出版社/メーカー: リコー
- 発売日: 2013/05/24
- メディア: Camera
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そして昨日、発売日に家に届いた。
標準モデルがザラッとした塗装であるのに対し、リミテッドエディションは、塗装の上からコーティングがされていて、光沢がある。この辺は好みが分かれるかもしれないが、私は全然こだわりがない。どちらでも良い。グリップは大理石模様。プラスチックだが質感は高い。ボタン類はメタリックシルバーで統一されていて、控えめではあるが高級感がある。それらに加え、特別仕様のストラップ、レンズフード、ケースが付属する。
このカメラの全体的な印象について、一言でいえば、(買える範囲で)久しぶりに「酒が飲めるカメラ」が出てきたと思った。昔、私は高級コンパクトというジャンルのカメラ『TC-1』(ミノルタ)、『GR1v』(リコー)、『T3』(京セラコンタックス)という3台のフィルムカメラを愛用していた。これらのカメラは、夜、酒を飲むときに触っても楽しいカメラだった。「カメラで酒を飲む」というと変な話だが、例えでもなんでもなく、画集や写真集を見るのと同じように、愛用のカメラを眺め触ってみる。酒も進む。カメラが酒の肴になる。この感覚は、カメラ好きの人には理解していただけると思う。
しかし、デジカメになって、そんなカメラは本当に少なくなってしまった。IXYやLUMIXで酒は飲めない。ニコンのD600は相当よく写るカメラだが、そういう楽しみはない。オリンパスのPENとかは、数少ないそういう楽しみの残ったデジカメかもしれないが、GRもまた、そういうカメラだ。久しぶりにそうした懐かしい感覚がよみがえってきた。
カスタマイズが楽しいのも、GRシリーズの特徴だ。私はまず『ULYSSES(ユリシーズ)』(→サイトはこちら)というメーカーのボディジャケットを装着している。『ULYSSES(ユリシーズ)』のボディジャケットは、他にも富士フィルムの『X100S』用なども販売されていて、イタリアンレザーを使用しておりクオリティが非常に高く、ファンには大人気のアイテムなのだが、気が付くとすぐに品切れ状態になっている。丁度、リミテッドエディションが発表になったころ、再生産されたのか、在庫有りとなっていたので迷わず注文した。この限定色とマッチするか心配したが、ブラックが意外に似合っている。
裏側はこんな感じ。起動ボタンと再生ボタンはジャケットに隠れているが、目印があり、革の裏側に硬いポイントが設けられていて、クリック感を持たせている。ただし再生ボタンは周辺を長押ししただけでも反応してしまうので、不用意に触れないよう注意が必要と感じた。
カバンにそれだけで入れるのは勇気が要るので、ケースが要る。ケースは『SUONO』で購入した。帆布のケースだ。5,000円弱というのはやや高い気がするが、光学ファインダー付きで挿入できるので、こちらを選んだ。ボディジャケットを装着しているので、サイズはややきつめ。セットに付属していたケースは未使用のままだ。
suono (スオーノ) ハンドメイド リコーGR ケース(ネイビー)--外部ファインダー用
- 出版社/メーカー: suono
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持って、眺めているだけで満足してしまうが、カメラは撮影するための道具だ。多くのミラーレスよりも小さいのでどこへでも持っていける。
さっそく、昼に行ったお好み焼き屋で撮影してみた。自家製どて焼き。
1センチまで寄れる、スーパーマクロともいえる機能を持っていた先代に対し、こちらは10センチまで。しかし料理だったら十分撮れる。そのうえ高感度の余裕が段違いだ。ピントが合っていない部分にかけてなだらかにぼけていく。いままでであればありえない領域に進化している。
家の窓から見える景色も撮ってみたが、ローパスレスの効果か、解像度が凄かった。まるでフルサイズの一眼レフで撮影した画像のようだった、手ぶれ補正機能がないが、グリップがあってしっかり構えられるから意外にブレない。起動の速さ、動作の速さにも磨きがかかっている。さっと取り出して撮影してさっとしまうことができる。最強のスナップカメラと言われるのがよくわかった。素晴らしいカメラを手にした。酒の肴にもなる。これからのカメラライフが楽しみだ。