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佐村河内守(さむらごうち・まもる)氏の話


このブログでは佐村河内守(さむらごうち・まもる)氏について一度も触れたことがなかったが、彼を巡る事実がトップニュースとして報道されている。残念な話で、本当に嫌なニュースだ。

被爆2世として生まれ、耳の聞こえない作曲家として知られる佐村河内(さむらごうち)守さん(50)の、代表曲「交響曲第1番 HIROSHIMA」などの楽曲について、十数年前から特定の別の人物が作曲してきたことが5日、分かった。代理人の弁護士が明らかにした。

 代理人が報道関係者に送ったファクスによると、佐村河内さんはこれまで、すべて自身が作曲したとして活動してきたが、実際は、楽曲の構成やイメージを提案し、特定の別の人物が具体化する形で創作を続けていたという。この人物の側にも「作曲者として表に出づらい事情がある」ことから、佐村河内さんの単独作として発表してきたという。
(佐村河内さん:曲は別人作…十数年前から 弁護士明らかに『毎日新聞』2014年02月05日より)


マスコミで「現代のベートーヴェン」と盛んに宣伝された佐村河内守氏に、18年間にわたってゴーストライターが存在していたことが明らかになった。そして、本日6日、実際に彼の作品として曲を書いていた、新垣隆氏の会見が行われ、さらにいくつもの衝撃的な事実が明るみになった。


聴覚を完全に失っているわけでもない(このことの真偽については今後判明していくだろうが現在は新垣隆氏の主張に基づく)、自分で曲を書いたわけでもない、ピアノが弾けるわけでもない。頭がクラクラするような告白に、おそらく本人は気が楽になっただろうが、その告白に、私はこちらが背負うはずのない重い荷物を急に持たされたような暗い気持ちになった。一体、この曲と、この曲のブームは何だったのか。実際には存在しなかった、佐村河内守氏という作曲家の方がずっとゴーストに思える。虚構新聞ですら、ここまで壮大な嘘を書くことはできないだろう。悪い冗談であったらまだ救われるのだが。


交響曲第1番『HIROSHIMA』によって元気づけられた人がいる。東日本大震災の被災者に向けられた曲「レクイエム」は、多くの人を救ったはずだ。あの時間を返してと言いたい。


NHKスペシャルで『魂の旋律〜音を失った作曲家』として放映され、自叙伝も出版され、CDが18万枚も売れたというのは、クラシック音楽という狭いマーケットからすると、異常事態である。こういう、普通ではありえないような現象の裏には、胡散臭さを感じなければならなかったのだろうか。しかしプロの指揮者が今でも「楽譜を見る限り曲が素晴らしかったので演奏した」といっているくらいである。曲を聴いただけで判断するのは本当に難しい。


このニュースから感じられる気持ちを一言でいうと、「むなしさ」である。


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