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伏見稲荷と稲荷山の「お山めぐり」


京都の伏見稲荷大社に行ってきた。久しぶりに行ってみたかったし、稲荷山を巡ってみたかった。何度もこの周辺を通っていたのに、この神社を目的として参拝するのは10年ぶりくらいになる。


京阪電車伏見稲荷駅で降りて、踏切を渡り参道を歩いているとき、あまりの混雑に、まるで清水寺周辺を歩いているような錯覚に陥った。それほどの混雑だった。しかもその日は平日の午前中で、私の記憶の中にある伏見稲荷は観光スポットではあるがそれほど混雑するところではなかったはずだった。



参道から境内に至るまで、中国系や西洋系、あるいは日本人の観光客、修学旅行生など、参拝客は様々で、正月三が日の神社のような盛況ぶりに私は予想を裏切られた。確かにオリエンタルでスピリチュアルなこの雰囲気は、外国人にはたまらないだろう。修学旅行生にとっても、あの鳥居のミステリアスな雰囲気はグッとくることだろう。


 


本殿にお参りした後、有名な「千本鳥居」をくぐって、「奥社奉拝所」にたどり着く。「奥社奉拝所」は稲荷山を一周する「お山めぐり」のスタート地点となっている。



この辺りまではかなりの混雑である。人が写らないように写真を撮っているが、実際、フレームをはずれたところではなかなかの人出である。修学旅行生も観光客もこの辺まではかなりの確率で行くようである。「奥社」とあるが、稲荷山全体で見るとまだほんの入り口と言うのに近く、まだまだ先の方がずいぶん長い。一服した後、稲荷山をさらに登っていく。参拝客は徐々に減っていく。


さらに登って「四ツ辻」まで到達すると、そこは山内でもっとも見晴らしがよく、京都市内を一望できるポイントとなっている。「お山めぐり」は、「四ツ辻」で、分岐点に遭遇する。正面に行くか、右に行くか。正面に行くとまず「御膳谷奉拝所」に立ち寄り、「御劔社」を経て、「一ノ峰」を目指すコース。右に行くと、「三ノ峰」から「二ノ峰」を経て、「一ノ峰」を目指し、「御劔社」を経て、「御膳谷奉拝所」のところに下りてくるコース。どちらを選んでも結局は一周するだけのことで「四ツ辻」に戻ってくる。また、どちらも採らずに、左に曲がると、「御幸奉拝所」を経て、稲荷山を下山するルートとなる。上記のようなことを知ったのは帰ってネットで調べてからのことだった。



「御幸奉拝所」。無人の奉拝所である。これは前述したように、左に曲がるルートである。私はすこし寄り道した。すこし外れたところにあるので人気もなく不気味だった。車が何台か停められていたが、人の気配がない。売店に勤務する人だろうか。ここから山を下って行って醍醐の方に出ることもできる。醍醐に下りるのも捨てがたいが、今回は伏見稲荷に参拝し、稲荷山を登ろうと思っていたのだった。


再び、私は「四ツ辻」まで戻ってきた。鳥居が立ち並ぶ風情のある参道だが、ほとんどが石段の坂なので、登山と考えるとライトだが、散歩と考えると意外にハードなコースとなっている。石段は崩れかかっているものは少なくて、しっかりとしているが、基本的には延々、登らされる。私は、ニューバランスを履いてきたので靴には困らなかった。女性ならヒールでは無理だろう。ウォーキングシューズやスニーカーでないと厳しいと思う。



あの先にはなにがあるのだろうか。それを確かめたくて足を前に出す。




「御膳谷奉拝所」にたどり着く。神職の方が勤務されている最後の奉拝所である。お守りやお札なども売っている最後の神社直轄の売場もある。こちらで最後の御朱印をいただくことができる。『稲荷山』と書いていただいた。




この辺で疲労はピークとなっていた。汗が噴き出す。しかもタオルを忘れたのでハンカチで拭くことになったことが想定外のストレスとなった。鳥居、坂、石段の連続。あれほどミステリアスに感じられた鳥居にも飽きてくる。



伏見稲荷の興味深いところの一つは、結構山の中でもあり、聖なる場所でもあるのに、普通に売店があることだ。住んでいるのか、通っているのかわからないが、昔から変わらずに営業しているように見える。祠や社の前にあったり、店の数も多い。店の人が社を掃除したりしている。店によってはうどんなどの軽食も食べられるし、冷たいものを買うこともできる。自動販売機もあって、親しみやすい聖地である。私はコインを投入して買ったポカリスエットを浴びるように飲んだ。



「一ノ峰」(上之社)。「一ノ峰」、すなわち稲荷山の頂点である。ここが稲荷山のもっとも奥の社である。ただならぬ雰囲気が漂う場所である。私は霊感が全くと言ってよいほどないが、確かに背筋がゾクゾクするような感じがする。ここは日本有数のパワースポットでもある。



なのに、こんなところにも売店がある。中に入らなかったが、普通に営業しているようである。




「二ノ峰」(中之社)。続く社である。私は右周りでまわったが、左周りをすると、「三ノ峰」からお参りし、最後に「一ノ峰」にお参りすることになる。売店があるのも「一ノ峰」と同様だ。




「三ノ峰」(下之社)。


「奥社奉拝所」を出てから大体1時間半くらいで、もとの場所に戻ってきた。登山と考えると軽いが、散歩と考えるとハードな1時間半だった。距離はそれほどでもないが、石段が辛かった。しかし、消耗した体力の代わりに、気持ちはすっきりしていた。「一ノ峰」の、ある種妖気ともいえる雰囲気は独特なものだった。こういう雰囲気は、京阪電車の電車賃を払ってでも、行ってみて直に触れてみないととわからないものだ。



稲荷山を一周した後、最後に参道で食事をした。にしんそばが美味しそうだった。それと当然のように私はいなりを注文した。


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