軽井沢・安曇野の旅(2)
義母の別荘に着いた翌日、軽井沢で買ってきたハムやパンを朝食に食べた。
胡瓜は地元の農協で買ってきたもので、まるでメロンみたいな瑞々しさだった。
旅行の3〜4日目は安曇野や大町で過ごした。午前中は安曇野ちひろ美術館に行った。去年は美術館まで行ったのに閉館日に当たってしまい、観ることができなかった。
美術館の周辺は公園になっていて、美しい芝生があり、小川が流れている。小川にはカエルが棲んでいる。遠くには穂高の山々が見える。
館内からいったん出たところにラベンダー園がある。
館内のカフェで一休み。セルフサービスなので侮っていたが、とても美味しいコーヒーだった。
安曇野ちひろ美術館は、それほど大きな美術館ではないが、とても見ごたえがある。子供を描いた絵がほとんどで、以前に来た時と比べてみて、私の中で子供の絵に対する理解が変わってきてように感じた。どんな子供もただ幼く可愛いだけでなく、複雑な自我が芽生えている。好き嫌いの感性があり、その後の発達の萌芽がすべてその小さな体の中に宿っている。いわさきちひろの子供の絵は、どうしてこんなにリアリティがあるのだろうか。以前に来た時は私にはまだ子供がいなかった。今回、久しぶりに来てみて、絵がより迫って見える。来てよかったと思った。観た後、やさしい気持ちになれる美術館だ。
◇ ◇ ◇
昼食は、穂高で信州サーモンと鶏の山賊焼きを食べた。信州サーモンとは、ニジマスとブラウントラウトを、染色体操作によって掛け合わせた品種で、最近になって生まれた信州の名産である。卵を産む機能がなく、一代限りの品種である。養殖であるため、寄生虫の心配がないのも特徴の一つだ。人工的に作られた品種ということで、私は恐る恐る食べたが、普通にサーモンだった。いや、むしろ臭みがなく、随分と洗練されたサーモンだという印象を持った。
鶏の山賊焼き。ニンニクを効かせたたれに漬け込み、片栗粉をまぶして揚げる松本の郷土料理である。
午後は大町市の大町山岳博物館に行った。「北アルプスの自然と人」をテーマとする博物館で、山の生き物のはく製や登山の歴史の展示が行われている。またキツネやタヌキ、ハクビシンなど山の生き物を展示する動物園も併設されている。
小学生くらいまでの子供にとって、こういう博物館が一番楽しいのではないだろうか。私の子供もいちいち興奮して喜んでいた。
大町山岳博物館は高台にあるので北アルプスを一望できる。天候があまりよくなかったので遠くの山々まで見渡すことができなかったが、いかにも信州の山の風景だった。
予定ではこの後、大町温泉郷に行って温泉に入る予定だったが、雨が降ってきたのでとりやめた。雨のなか露天風呂に入っても勿体ないので、早々に、義母の別荘に帰った。夕食を食べて、子供を風呂に入れて、早い時間に就寝した。そんなふうにしてこの旅行は終わった。