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2014京都の紅葉〜妙心寺と光悦寺


京都に紅葉を見に行ってきた。京都の紅葉の名所では、多くのところで平日でもかなり混雑しているが、それほど混まない、穴場的なところがある。妙心寺もそのひとつだ。そういえば一昨年前、平日に行った永観堂ユニバーサルスタジオジャパンみたいな混雑を目の当たりにした。また東山や嵐山は凄い人出だろう。今回、そういうメジャーどころを避ければハイシーズンの京都でもゆっくりと紅葉を鑑賞できることを改めて知った。



妙心寺は、臨済宗妙心寺派大本山として知られる寺院で、傘下の46を数える塔頭寺院のほとんどが非公開で、通年で公開されているのは、法堂や浴室などの伽藍の一部を別にすれば、大心院、退蔵院、桂春院の3つの塔頭だけだ。(ちなみに竜安寺妙心寺派の寺院である。)非公開時の塔頭の中には、沙羅双樹の木で知られる東林院なども含まれる。私が行ったときは、上記の3つの塔頭に加え、秋の特別拝観で、大法院、天球院が公開されていた。


退蔵院や大法院は、紅葉の名所としても有名だが、その日も、11月中〜下旬の京都では考えられないくらい、空いていた。


■退蔵院


妙心寺の駐車場は、ハイシーズンの観光地なのに、信じられないことに参拝者無料だ。ただし停められる台数には限りがあるので、土日などは早朝でないとやや厳しいかもしれない。駐車場に車を停めて、私がまず向かったのが妙心寺塔頭である退蔵院だった。退蔵院は山中でも屈指の名刹で、国宝「瓢鮎図」や枯山水庭園「元信の庭」、池泉回遊式庭園「余香苑」でよく知られている。



こちらが「余香苑」。作庭されたのは昭和の時代だが、実際の大きさ以上にスケールを感じる名庭だ。庭園の入り口には大きな枝垂桜があり、桜の名所でもある。


 


四季折々に違った美しさがあり、この開放的な雰囲気の庭園が私はとても好きである。紅葉は見ごろを迎えていた。



妙心寺は、敷地が広いので、一つ一つの塔頭の間の距離は意外に長い。全部廻ろうとすると、2〜3キロくらいは平気で歩くことになる。しかしその参道は風情があって、まるで城下町を歩いているような気分になる。



公開されていない塔頭の門からも、この写真のように真っ赤な紅葉が顔を出している。こういう風景に出会うと飽きない。


■桂春院


桂春院は、4つの庭、すなわち「清浄の庭」、「侘の庭」、「思惟の庭」、「真如の庭」を持つ。妙心寺の中では、数少ない通年公開されている塔頭のうちの一つである。



「真如の庭」の楓。



「真如の庭」は歩いて下りることができる。生垣の裏側に回り、紅葉の側からお堂の屋根を望む。



なぜ京都の紅葉に惹きつけられるのか。京都の紅葉の良さを特徴づけるものとして、お寺と紅葉を一緒に鑑賞できるということがある。確かに、歴史的なものと自然のものが調和する美しさというものがある。私は、お寺の瓦を背景に見る紅葉の美しさは格別だと思う。


■大法院


大法院が特別公開されていたので、拝観してきた。春と秋だけ公開されている。



苔むした庭から大小さまざまな木々が立つ。まだ見頃ではなかったが、さすがに紅葉の寺という雰囲気があった。色づきはじめから紅葉まで、彩り豊かな木々の庭だった。



暗い室内から見る紅葉も風情があって良い。


◇  ◇  ◇



その後、妙心寺では、大心院、天球院(特別拝観が行われていた。妙心寺には何回も行ったが、天球院には初めて行った)を拝観し、まだ時間がたっぷりあったので、鷹峯の光悦寺まで足を延ばした。車だったので、妙心寺から20分くらいで到着した。


■光悦寺


鷹峯は、吉野太夫ゆかりの「常照寺」、悟りの窓と迷いの窓で知られる「源光庵」、あるいは「しょうざん」など紅葉の名所が点在するエリアなので、さすがに平日でも混雑していた。それでも、光悦寺の駐車場は1時間500円だったが、じゅうぶん空きがあり、車を停めることができた。


もともとは、本阿弥光悦徳川家康より賜った土地に、光悦の一族をはじめとして、芸術家がたくさん住んだ地域で、死後に寺となった。




特徴的な『光悦垣』に紅葉が映える。



紅葉越しに鷹峯の山々、衣笠山大文字山が見える。市内でも北部に位置するだけあって、ダウンジャケットを着て丁度よい寒さだった。暖かいコーヒーを飲みたかった。




燃えるような赤。鮮やかな黄色。鮮烈だった。光悦寺の参道を歩いて駐車場に帰る時、見上げた紅葉は見頃を迎えていた。


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