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天橋立から舞鶴・北京都弾丸トラベル


天橋立舞鶴に日帰りで行ってきた。


天橋立がある北京都は、大阪からは『日帰りドライブ』みたいな本で紹介されるように、ちょっと遠出だが日帰りで行ける範囲となっている。しかし、実際にやってみるとハードだった。朝早くに家を出て、帰りは宝塚トンネル付近の渋滞につかまり、家に帰ったのは夜の11時近かった。車買いたての社会人一年目のようなこんな旅は、実際に社会人一年目の頃にはしたことがなくて、はじめてだった。一言、疲れた。


私たち家族は(子供はまだ小さいので親の趣味に問答無用で連れていかれるだけだが、石段を駆けあがったり、池の鯉を見たりしながら結構楽しんでいるようだ)、今年、西国三十三ヵ所の巡礼の旅にハマっていて、北京都の二つの札所、成相寺と松尾寺は、絶対に訪れたいところだった。泊りで行けばお金もかかる。しかし特に行きたいのは二つだけなので、時間が余る。そこで、三連休の中日にあたる日曜日を利用して、思い切って6時過ぎに家を出た。そして9時半には天橋立の砂浜に足をとられていた。


最初の目的地は天橋立の奥にある西国二十八番の札所である成相寺だったが、せっかく遠くまで来たのだからと天橋立に立ち寄った。付近は民間駐車場がたくさんあるが、けっこういっぱいになっていた。相場は500円。駐車場に車を置いて、土産物屋が立ち並ぶ一角を抜けて、天橋立に足を踏み入れる。干物やカニカニはシーズンだ。確かに立派なカニが揃っている。しかしカニを買ったところで、我が家ではどう扱ってよいのかわからないので、ウインドーショッピングするばかりだった。


天橋立に行くのは私は二回目だったが、一度目の記憶が全くない。十五年前くらいだから全く記憶がないのはおかしいと思ったが、行ってみて合点した。




このように天橋立自体にいってみると、松林と砂浜なので、天橋立である特別感はほとんどない。海に行ったのと変わらない。きっと私の記憶は、松林のある砂浜に行った他の無数の記憶に紛れて、目立たなくなっていただけだったのだ。


とはいえ時間は限られていた。天橋立はそれくらいにして、まずは最初の目的地である成相寺に行って、その後は舞鶴まで行って、松尾寺を目指さなければならなかった。


成相寺


グーグルマップを頼りに車を走らせたが、全然違う場所に案内されかかった。途中で気づいたがだいぶ進んでしまっていた。細い道だった。あのまま進んでいたら、あの道はどこに出るのだろう。時間を30分ほどロスしてたどり着いた成相寺は、紅葉を期待していったわけではなかったが、ちょうど見頃で、美しい紅葉を見ることができた。



参拝者は本堂の内陣奥まで入ることができる。本尊の聖観音秘仏だが、取り巻く他の仏像群が圧巻である。この旅全体を振り返ってみて、この仏像が最もよかった。こんなに近くで拝観することができて感動的だった。



紅葉はまさに見頃。



狛犬の口の中に紅葉が。こういう粋なことを誰がしてくれるんだろう。



成相寺の上には展望台があり、そこから天橋立を一望できる絶好のビュースポットとなっている。以前に行ったときには、こういう見晴らしの良い場所に行かなかった。やっと天橋立に行った実感が持てた。今回の旅の記憶はきっと残るだろう。


成相寺からそのまま松尾寺に行けばよいものの、天橋立ワイナリーに寄り道をしたりして、舞鶴市内に入った時には、3時になっていた。昼はしっかり摂ることができなかった。天橋立ワイナリーで買ったパンを車の中でかじった。同じ北京都でも、天橋立から舞鶴まで、ストレートに行っても2時間近くかかる。さらに、私はまた道を間違えたため、20分くらい余計にかかった。


舞鶴は大きく分けて西舞鶴と東舞鶴に別れ、その二つは歴史も雰囲気もまるで異なっている。雰囲気の違いは、車を走らせているだけで分かった。普通の地方の港町という風情の西舞鶴を抜けると突如、異様な光景が飛び込んでくる。曇り空に黒いシルエットが浮かぶ。自衛艦だ。西舞鶴が旧城下町であるのに対し、東舞鶴は軍港として栄え、軍の遺跡が残っている。いまでも港には自衛艦が厳つい姿を見せている。日曜は一般公開されていることから、賑わっているようだったが、私はこういう光景を見慣れていないのか、なんとなく恐さを感じた。西舞鶴から東舞鶴は少し離れており、松尾寺は東舞鶴から更に東にはずれたところの山中にある。


■松尾寺



西国二十九番礼所の松尾寺。特徴的な二層の屋根を持つ本堂。本尊は西国礼所では唯一となる馬頭観音



松尾寺は、紅葉の名所らしく人が集まっていた。



成相寺の紅葉も良かったが、こちらも最高だった。逆光で見る紅葉が綺麗だ。



天気はそれほどよくなかったが、曇天である方がそのものの色が出て、紅葉の鮮やかさが映える。



見頃。



松尾寺に拝観し終えたところでまだ時間があったので、近くにある金剛院に向かう。しかもそこは紅葉の名所だという。


■金剛院



金剛院は、三島由紀夫の小説『金閣寺』の舞台となった名刹で、本尊は波切不動。三重塔は重要文化財である。すでに見頃は少し過ぎているような感じだったが、まだ紅葉祭りが行われており、大根炊きが行われたり、ぜんざいを振る舞ったり、多くの人が集っていた。



五重の塔の裏側から山の散策路が設けられていて、ちょっとしたトレッキングができる。十分に見ごろと言えるような状態の木もまだあった。




紅葉は、枯れかけた状態も美しい。落ち葉も美しいということも知った。


拝観は4時で終了となった。お寺の拝観を終り、その後、市場にも寄っているうちに暗くなってきたので、夕食は舞鶴で食べた。



烏賊の一夜干し。昼もろくに食べなかったので、漁るように食べてしまった。



お造り盛り合わせ。レベルが高い。



右はB級グルメだという「ホルモンそば」。本場は、舞鶴ではなかった気がするのだが。


お腹もいっぱいになって、時間も7時過ぎ。そこから家に帰る道のりは長かった。時間が遅かったのですんなり帰れると思ったが、結局、宝塚トンネルの渋滞にしっかりつかまり、大阪に着き、家で風呂に入る頃には日付が変わっていた。


弾丸トラベルをやってみて思ったのは、こういうことはあまりやるもんじゃない、ということだった。無理に行ったせいか、個々の印象が薄い。実際、過ごした時間のうち7時間から8時間は車のシートに座っていたのだ。お金を節約する、西国の二つの札所巡りをするという、目に見える成果はあったが、もっとゆっくり行った方が、楽しかったのではなかったかと振り返っている。


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