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南船場のオシャレ洋食『SANGEN』


南船場にある洋食店『SANGEN』に行ってきた。実は、近くの店を目指していたのだが、あいにく定休日だった。そのために出掛けてきたようなものだったので、がっかりだった。梯子を外された気持で、予定していたものに相応するくらいのものを食べないと納得できなかった。そういえば、近くに『SANGEN』があったはずだ。前に行ったのは何年前だろう。しかし、『SANGEN』なら良いかもしれない。


お店の名前の由来は、昭和11年の老舗、住之江にある『源ちゃん』の三代目だから、『SANGEN(さん源)』と名付けたとか。私は、その、南船場の『SANGEN』に開店早々に駆け込んだ。人気店なので12時を過ぎると混んでくる。私が一番乗りだったが、続いて、予約客や常連客が次々に来て、けっこう席が埋まる。


『SANGEN』は、もし「オシャレ洋食」というジャンルがガイドブックにあるならば、近隣にある『洋食KATSUI』と並んで、筆頭に掲載されるはずの有名店だ。


そもそも「オシャレ洋食」とは何なのか。洋食とは、私は、第一に、子供が好きな食べ物であり、童心を残した成人男性が好きなジャンルと認識している。あるいは、学生街などで、育ち盛りの男子学生の胃袋を満たす、フライものというイメージがある。しかし、「オシャレ洋食」とは、第一義的には、私は、女性だけで行ける店と認識している。外装も内装もスタイリッシュで、接客も上品である。料理の量はそこそこだが、格好ばかりの店とは素材が違う。良い食材を使用している。それに盛り付けが美しい。また、デートにも使えるが、割合としては女子会の方が多い。女性客比率という点で言うと、この店では、7:3、あるいは8:2くらいではないか。実際、女性客が多い。


ハンバーグやエビフライなどの普通のセットもあるが、それらは食べたことがあるので、私は別のものを注文した。『洋食"膳"』というメニューだ。パンかライス、スープ、日替わりの冷製4種、日替わりのクリームグラタン、エビフライ、牛肉のタレ焼き、デザート、コーヒーがセットになっている。価格は3,000円。昼からこんなに贅沢をしていいんだろうか。



料理が運ばれてくる。冷製は、鯛のカルパッチョに、燻製肉、ポテト入りオムレツ、茹で牡蠣。どれから箸をつけてよいか迷ってしまう。鯛は産地も説明してくれたが忘れてしまった。愛媛だったか和歌山だったか。弾力があってグミみたいでとても美味しかった。ピンクペッパーの酸味が効いていた。燻製肉はポークだったかチキンだったか忘れてしまったが、普段の家の食事だったら、これだけでご飯のお供になると思った。オムレツも美味しかった。牡蠣は、適度な塩気があって、海のエキスが口の中で弾けた。私はちょうど、こんな季節なのに牡蠣を食べたい気持ちだったので、ばっちり当たって良かった。



日替わりのクリームグラタンは、貝柱などが入っていたので、シーフードグラタンだったと思う。エビフライは、衣が薄く、新鮮さが残ったまま、揚がっているようだった。これこそトンカツ屋のエビフライではなく、洋食屋のエビフライだ。私はこういうエビフライの方が好きだ。牛肉のタレ焼きは、焼肉屋で「上カルビ」、「上ロース」を頼んだ時に出てくるような上等な肉だった。焼き加減は、絵にかいたようなミディアムで、肉自体に甘みがあり、箸で容易に切れる柔らかさだった。自家製のタレも良い味だった。



食後にはデザートとコーヒーが出る。


夜に来ればコースもあるのだが、私はなかなか夜にここまで来ることはできない。やや高価だったが、内容的には満足できるものだった。ランチなのに、これだけ色々と楽しめるのが良かった。

【SANGEN(さん源)】

住所/大阪府大阪市中央区南船場2-3-17 ヴェルデ南船場 1F
営業時間/11:30〜15:30(L.O.15:00)17:30〜23:00(L.O.22:00)
定休日/水曜・第2火曜