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梅田『本みやけ』のステーキ重


先日、梅田で昼食を食べようとしたとき、久しぶりに『グリルロン』の洋食を食べようかと、阪急三番街の地下に向かうエスカレーターに乗った。時間は11時になるかならないかくらいの「丁度良い」時間で、この時間なら『グリルロン』の開店に間に合うかもしれない。開店待ちの客があるが、最初のローテーションの客としてギリギリ入ることができるかもしれない。


地下街の『グリルロン』がある通りを少し歩くと、既に行列ができているのがわかった。遠目にもわかるほどだった。店員がメニューを待ち客に渡しているのまで見えた。店の前まで来ると、11時直後なのに既に店内は満員で、外のベンチにも数人が座っており、しばらく待たなければならないようだった。


しかしその手前の店『本みやけ』が待たずに入れそうだった。『本みやけ』は「ステーキ丼」と「肉鍋」が有名な店で、いつもは『グリルロン』よりも行列が目立つ店だ。いつも昼時の行列はすごいものがある。その行列を横目に、多少マシな『グリルロン』に入る、というのがいつもの流れのはずだった。その日は状況が違った。『グリルロン』の洋食は残念だったが、今日はステーキ重というのもいいかもしれない。


私は、一度も行ったことのない『本みやけ』の暖簾をくぐる。


カウンターだけの店内で、10人強くらいは座れそうな規模だ。それがちょうど1席だけ空いていた。まるで運命のように。その席だけがスポットライトを浴びているような錯覚を覚えた。私は空いていた席を案内され着席する。


店内にメニューが掲げられており、そのメニューによると、肉鍋や、和牛ロース鍋、豚ちり鍋、牛とじ丼など、どれも試してみたいものばかり。私は最初なので、当初の気持ちの通り、ポピュラーだと思える、ステーキ重を注文する。ステーキ重には、普通のステーキ重と、肉多めがあり、私は肉多めを注文した。肉多めで1,480円だった。


店内を見回すと、サラリーマンが多いかと思っていたが、意外に女性の友達同士や、女性の一人客も目立つ。黙々とステーキ重を食べる客、ご飯少な目を注文する女性客、瓶ビールを空けながら肉鍋を食べる客など様々だ。


程なくして外に行列ができていることがわかる。新たにできた行列の先頭は、韓国人観光客だった。この店は、外国人観光客に人気の店らしい。確かに、いつも店の横を通り過ぎると、外国語を話す客の姿を見ることが多い。韓国語のガイドブックにでも載っているのだろうか。


すぐに料理が出てくるかと思ったが、意外に待つ。私より先の客も既に少し待っているようだった。肉を丁寧に焼いているのだろうか。その後にわかったことだが、席が空き、新しい客が通されると、行列の段階で事前に注文を聞かれていたこともあって、最初の回のようには時間がかからないようだった。最初の回は、事前に肉を焼かない分、時間がかかるのだと思った。


そして多少の待ち時間の後、料理が私の前にやって来た。



メディアムレアのステーキが、ぶつ切りにされた断面を上にして、所狭しと並べられている。



タレは甘めである。肉多めなので、肉を除いても肉が出てくる。柔らかさに感動するというタイプの肉ではなく、肉を食べたくて肉を食べているという状況。弾力と歯ごたえもある赤身の美味しい肉。


鉄板焼きのステーキでもなく、焼肉でもなく、ステーキ重。「ごちそう」感はなぜかステーキ重が一番高い。その理由はわかりやすさ。これは確かに人気が出そうなビジュアルだ。


私が注文したのは肉多めだったが、普通でも良かったかもしれない。何しろ普通は930円だ。930円で、これよりも多少少ない肉であるにしてもステーキ重を食べられるのだから、人気が出るわけだ。

【本みやけ阪急三番街店】

住所/大阪府大阪市北区芝田1-1-3阪急三番街B2F
営業時間/11:00〜21:30
定休日/第三水曜日不定