ゼンハイザー『MOMENTUM On-Ear Wireless』を買った
ゼンハイザーのBluetoothヘッドホン『MOMENTUM On-Ear Wireless』を買った。耳は一組しかなく、去年の冬にゼンハイザーとDENON、夏にBOSEのヘッドホンを買ったというのに、私の物欲は留まることを知らない。興味があるとすぐに買ってしまう。困ったことに、買って試してみると、それぞれ良いものであり、後悔がないので、そのことを繰り返す。
【→2016年8月18日のブログ「Bose『Quiet Comfort 25』」】
【→2016年3月13日のブログ「ゼンハイザー『HD598』/DENON『MM400』」】
- 出版社/メーカー: ゼンハイザー
- 発売日: 2016/03/10
- メディア: エレクトロニクス
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最近、Bluetooth界隈の盛り上がりが凄い。スピーカーも魅力的な製品がたくさん出ているし、イヤホン、ヘッドホンも豊富な選択肢が用意されている。私のスマホはiPhone7ではないのでイアホンジャックがないわけではないし、そもそも音楽はiPod touchでよく聴いているので、特に不便もなかったのだが、Bluetoothで聴く音楽への興味が勝った。
梅田のヨドバシカメラで視聴してみて、私が買える範囲で最良のものとして、ゼンハイザーの『MOMENTUM On-Ear Wireless』を選んだ。まず、モノとしての存在感がよかった。なかなかこんなデザインはない。そして色が独特だ。「持っているだけで嬉しい」タイプの製品だ。そして肝心の音質は、想像以上だった。
音質は、低音域が若干強めのように感じられるが、不自然さを感じるほどではない。かと言って、中音域や高音域が弱いかと言われるとそうではなく、しっかりと張りのある音が鳴る。全音域に渡って、パンチが強く、元気な音だ。
ノイズガード機能は、BOSEの最新の機種と比べると劣るが、数年前のSONYのノイズキャンセリングイヤホンのレベルを凌駕している。私がヘッドホン、イヤホンのノイズ除去の効き具合を測るものとして、感覚的なものであるが、「地下鉄でクラシック音楽のピアノソナタを聴くことができるか」という基準を持っているが、それをじゅうぶんクリアしている。先日も、大変に混雑し、騒音の多い地下鉄のなか、ひとり、静かな環境で、ベートーヴェンのピアノソナタを堪能した。
そしてBluetoothの違和感がなかったのは嬉しい誤算だった。地下鉄で聴いていても途切れることもなく、コードを挿すのに比べて、音質が劣化しているような感覚もなかった。
- アーティスト: ハーン(ヒラリー),シベリウス,サロネン(エサ=ペッカ),スウェーデン放送交響楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2016/09/07
- メディア: CD
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ヒラリー・ハーンのシベリウスのヴァイオリン協奏曲を聴いてみると、あまりの迫力に、この小さなヘッドホンから音が出ていることが信じられなかった。音響の良いコンサートホールで聴くような、広がりのあるオーケストラのサウンドと、伸びやかで自由なハーンのヴァイオリンが抜群の調和を聴かせる。いやこのスケールの大きさは、コンサートホールどころではなく、冬の北欧の自然だ。時折、トナカイが姿を見せるような、雪深い森の中に、一人置かれたような気持ちだ。時間を忘れ、このヘッドホンが表現する世界に浸ってしまう。
ヒラリー・ハーンはクラシック音楽だが、他にも、ジャズ、ポップス、ロックなど、何でもオールマイティーにこなす。サイズの制約を感じさせない。この小さなヘッドホンから、これほど本格的なサウンドを聴くことができるとは思わなかった。