『DEATH NOTE』デスノート
DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)
- 作者: 大場つぐみ,小畑健
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/04/02
- メディア: コミック
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『デスノート』を職場の後輩のKさんに借りて読んだ。
連載も終了し映画化もされブームも落ち着いてきているのに、私のところにはブームが遅れて来るらしい。
これ、相当すごい。
ストーリーは、死神が1冊のノートを人間界に落とすところから始まる。
そのノートとは、「殺したい人間の名前を書くとその相手が死ぬ」という恐ろしいものだった。
ノートは主人公・夜神月に拾われる。彼はそのノートを武器に、悪人のいない理想の社会を建設しようと考え、犯罪者の名前を書き込む。
凶悪犯罪者が連続して不可解な死を遂げる。いくら凶悪犯罪者だからといって、公然と殺人が犯されることを警察が黙ってみているわけがない。遂に、世界各国の警察や、FBIでさえもその指揮下にあるという謎の探偵・L(エル)が登場する。
主人公とLとの対決。両者負けず劣らずだ。手に汗を握る知恵比べ。そしてストーリーはどんどん膨れ上がる。ノートの存在が闇の世界へと知られ、様々な勢力がそのノートを手に入れようとする。こうして物語は予期せぬ方向へと進んでいく…。
ひとつのエピソードが次のストーリーの伏線となるという、よく練られたプロット。
セリフと展開をよく覚えておくと、ああそういうことだったのかと納得する場面が多い。
登場人物も魅力的だ。特筆すべきは絵の上手さ。性格ばかりか癖までも描く。また登場人物の変化さえも読者に伝える上手さ。例えば、主人公の父親の絵などは、見事に老化を描ききっている。
この数日、すっかりはまってしまった。
◇ ◇ ◇
実はこの本、12巻完結なのだが、6巻までしか借りなかった。
Kさんは「全部持ってきましょうか」といってくれたのだが、そこまで夢中になることはないだろうと
半分の6巻だけ借りることにしたのだ。
ところが、私は金曜日の夜、6巻を読んでしまった。
ああ、この土日どうすれば?
読みたい。
先が知りたい。
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結局、マンガ喫茶に4時間篭ってしまった。
とりつかれたようにマンガ喫茶のリクライニングシートで読み耽って読了してしまった。
そして帰ってきて、ふと我に返って、書き留めておこうと思ったのが今日のブログ。
◇ ◇ ◇
この漫画、いろいろな意味ですごい。
勿論、気付く点はいくつもある。
いくら凶悪犯罪者だからといって軽すぎる死の描き方。
例えば死体を描かなかったり、強烈な死の場面を描かないところ。
これは意識的なものだと思う。
主人公の心が見えない点。
犯罪のない社会の建設という理想は、恋愛や家族愛など身近な人への愛情に勝るものなのか。
私はこういう立場になったことがないのでわからないが、もっと人間の愛情というものは、何にもまして優先される感情ではないかと思うのだ。
でも逆に、ノートを私利私欲のためではなくて、犯罪のない社会の建設という理想のために使う、感情に左右されない人間、主人公・夜神月の、常人には理解できない強靭なメンタリティーを描くことにあるとしたら…
と、まあいろいろ考えるところはあったのだが、
結局、この漫画のテーマは、こういう特殊な設定の中での知的ゲームを描くことにあったんだと思う。
どっちが勝つかというゲーム、とんでもなく大きな設定の中でやればよりスリリングだ。
少年漫画はここまできたか〜というのがいまの感想。
舞台がどんどん巨大になり、ついには死を自由に出来ることまでもが設定の一部になった。
すごい作品だ。