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クラシック名盤・名曲と消費 生活 趣味

2006-01-01から1年間の記事一覧

舞踏の聖化・ベートーヴェンの交響曲第7番

ベートーヴェンの交響曲第7番。 ワーグナーはこの曲を「舞踏の聖化」と呼んだ。まるでダンスを踊るように優雅でしかも勢いのある名曲だ。 曲は4楽章構成の古典的なものだが、全体的に支配するリズムが斬新で、とくに第3楽章と第4楽章のスピード感には手…

フランク・交響曲ニ短調

モーツァルト。メンデルスゾーン。天才。 ロリン・マゼール、ダニエル・バレンボイム。メニューイン。ムター。五嶋みどり。神童。 早熟型の天才の多いクラシック音楽の世界にも、晩成型の音楽家がいる。 ギュンター・ヴァント、ハイティンク。ピアニストのル…

佐渡裕×大阪センチュリー響「21世紀の第九」

2006年も残すところ、あと4日。 明日28日は官公庁でも仕事納めということもあって、民間でも仕事納めのところも多いはずだ。私もそうだ。 私は仕事納めの一足先に「コンサート納め」とでも言おうか、今年ラストの演奏会に出掛けた。 佐渡裕 21世紀…

メンデルスゾーンの「スコットランド」

メンデルスゾーンのスコットランド訪問中に着想されたものの、その後、年月を経て完成したのが、交響曲第3番イ短調「スコットランド」だ。 名曲中の名曲であり、愁いを帯びた曲調にメンデルスゾーンの天才が見える名曲だ。 初めてこの曲を聴いたとしても涙…

香川県・さぬきうどん出張(2)

2週間ほど前に、香川県にうどん巡りに(!?)、いやいや仕事の出張に行ってきた。 食事時は香川県に来てまで、バーミヤンとかカレーのココイチに入ってはもったいない。 すかいらーくや餃子の王将などもってのほか。 骨付き鳥の「一鶴」は大阪にもあった。 し…

速筆のモーツァルト・交響曲第36番「リンツ」

モーツァルトが27歳のとき、わずか4日間で作曲されたのが、交響曲第36番「リンツ」だ。 リンツは、オーストリアの町で、ザルツブルクとウィーンのちょうど中間くらいにある。私は行ったことがないが、とても美しい街らしい。 「リンツ」は、リンツ滞在…

マーラーの交響曲第2番「復活」

マーラーの交響曲第2番「復活」。 「死んで生き返る」、「死者が蘇る」、「復活する」というメッセージを持った曲だ。 「復活」という標題はマーラー自身がつけたものではないが、生と死についてのマーラーの思想を色濃く映す傑作となっている。 「復活」と…

モーツァルトのホルン協奏曲・全4曲・「高尚」

何かの世間話の際に、「クラシックを聴いています」と、全く興味のない人に言うと、「へえ、高尚ですね」と言われることがある。 「クラシックなんか聴いてお高くとまってんじゃね〜か、コニャーローメ」と思われているかもしれない。 考えすぎ? だがそう思…

大阪フィルハーモニー交響楽団2007/2008定期演奏会プログラム

大フィル(大阪フィルハーモニー交響楽団)の来期つまり2007/2008定期演奏会のプログラムが決定した(→大阪フィルHP)。 来期は定期会員になろうと思っているのだが、期待に違わず楽しみな曲ばかり。 大植英次氏の指揮するブラームスの4番に、シ…

モーツァルト・交響曲第25番「小ト短調」

映画『アマデウス』の冒頭、激しい曲調の音楽が流れる中、サリエリが「モーツァ〜ルト!」と叫ぶ場面がある。 この映画の中でサリエリは依頼主を装い(まるで死神のような変装で)、病床に臥すモーツァルトに、モーツァルト自身のためのレクイエムを書くこと…

プレミアム・オブ・プレミアム、琥珀ヱビス、乾杯の歌

プレミアムビールで知られるヱビスビールに、期間限定販売のプレミアムビールが登場した。 まさにプレミアム・オブ・プレミアム。 その名は、「琥珀ヱビス」(→ヱビルビールのHP)。 2006年11月22日に全国で一斉発売された。 私はアルコールにめっ…

ベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲・優雅な曲

名曲・ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。 このブログで以前に書いた3大ヴァイオリン協奏曲のひとつに数えられる名曲(あとの2つにはブラームス、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が挙げられることが多い)。(「3大ヴァイオリン協奏曲認定委員会…

Sony・ノイズキャンセリングヘッドホン・MDR-NC22

ソニーのノイズキャンセリングヘッドホン・MDR-NC22を買った。 結論から言うと、「これはすごい」。 カタログ的には次の通りだ。 ●周囲からの騒音を約1/4に低減するノイズキャンセリング機能(*) ●直径13.5mmドライバーユニットによる、広帯域再生、広ダイ…

ブルックナー体験・交響曲第4番「ロマンティック」

好きな人にはたまらないが、好きでない人にとっては全くどうでもよい作曲家の筆頭がブルックナーだ。 ブルックナーの交響曲は何しろ長い。 交響曲第8番などは演奏時間で90分程度にもなるので、演奏会では大抵、1曲のみのプログラムとなる。4番、5番、…

ワーグナー・管弦楽名曲集

リヒャルト・ワーグナー(ヴァーグナー)。 この巨人をどう攻略していったらよいか。クラシック音楽の最高峰のひとつ(のはず)だ。なにしろ高い頂だ。登頂口はどこにあるのだろう? ワーグナーの最大の作品『ニーベルングの指輪』(以下『〜指輪』)は上演…

マーラー交響曲第5番・葬送行進曲とアダージェット

ベートーヴェンの交響曲第5番。運命が戸を叩くという、「タタタターン」という冒頭の4つの音。 同じ「5番目の交響曲」で、マーラーは同じようなフレーズを用いる。 しかしベートーヴェンの「運命」のようにエネルギーが凝縮したような感じではなくて、も…

ポリーニ×モーツァルトのピアノ協奏曲第21番

最近、私はモーツァルトのピアノ協奏曲第21番の新しいCDをよく聴いている。ポリーニの弾き振りによるCDだ。 モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番&第21番アーティスト: ポリーニ(マウリツィオ),モーツァルト,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団出版社/メ…

骨付鳥の名店「一鶴」・香川県丸亀市・鳥で一杯

私が愛してやまない「うどんの国・香川県」にはもうひとつ名物がある。 「骨付鳥」(ほねつきどり)だ。 香川県丸亀市に「骨付鳥」の登録商標を持つ名店「一鶴」(いっかく)がある。(→「一鶴」HPはこちら)文字通り「骨付きの鳥の足」を食べさせる店だ。 …

年末の風物詩・ベートーヴェンの第九

2006年も残り1ヶ月を切った。 今日、年末に必要なものをいろいろ買いに行ったのだが、年の瀬というにはまだ早い時期だというのに、混んでいて何だか慌しかった。 師走だ。 12月の声を聞くとそろそろ「第九」(ベートーヴェン・交響曲第9番「合唱付」…

ショスタコーヴィチ交響曲第7番「レニングラード

」ショスタコーヴィチの交響曲第7番は、第二次世界大戦の真っ只中、ナチスドイツに包囲されたレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)で作曲された。 「レニングラード包囲戦」をモチーフとしているこの作品は「レニングラード」と呼ばれている。 シ…

ラフマニノフ交響曲第2番・甘くせつない曲

ラフマニノフの楽曲のなかではピアノ協奏曲第2番がとくに人気があるが、交響曲の人気曲も第2番だ。 ラフマニノフは全部で3曲の交響曲を書いたが、圧倒的によく演奏され、また聴かれているのがこの第2番だ。 (現在では再評価が進んでいるが)、最初の交…

『のだめカンタービレ』(二ノ宮知子・著/講談社)

『のだめカンタービレ』。 テレビドラマ化にも、2007年1月からのアニメ化にも無視を決め込んでいた。 手を出すまいと決めていたのだが、一気に10巻まで買って読んでしまった。(手を出さずにいた理由は『のだめカンタービレ』が女性向マンガだという…

ブラームス・交響曲第2番

ブラームスは最初の交響曲を完成させるまでに約20年を費やした。しかしその直後に着手した第2番は4ヶ月で仕上げている。 ベートーヴェンの成し遂げた交響曲の革新という偉業を意識しながら、推敲に推敲を重ねてようやく辿り着いた最初の交響曲の完成。商…

ベートーヴェンの牧人の歌・「田園」交響曲

ベートーヴェンの交響曲第6番は「田園」("Pastral")の標題で知られている。 「田園」交響曲は、第5番「運命」(以下、第五)と同時期に作曲され、同じ日に初演された(どうでも良い話だが、初演当日は6番が5番として、5番が6番として演奏された。これ…

滋賀県長浜市に「鯖そうめん」を食べに行く

この前の3連休(いつだっけ?)に滋賀県の長浜まで車を飛ばした。 滋賀県長浜市は黒壁スクエアなどで知られる観光都市である。 たまの休日、どこかに遊びに行こうということになったのだ。 2006年のNHK大河ドラマ『功名が辻』の舞台にもなっている長浜…

ベートーヴェン・交響曲第5番「運命」

ベートーヴェンの交響曲の中で最高傑作は何番かと訊かれたら、私は5番と答える。 もちろん3番「英雄」も素晴らしいが、全体を通しての緊張感では5番に及ばない。他がどうというよりも、5番が傑出しているのだ。 これほど緊密で、ドラマチックで、緊張感…

ラファウ・ブレハッチ≪オール・ショパン・プログラム≫

ラファウ・ブレハッチのリサイタルに行ってきた。 ラファウ・ブレハッチはポーランド人のピアニストで、2005年の第15回ショパン国際コンクールの優勝者だ。 会場は大阪のシンフォニーホール。一日中雨が降り続く悪天候にもかかわらず観客席は満員だっ…

ゴルトベルク変奏曲・弦楽三重奏版

最近、おもしろいCDを買った。 J.S.バッハのゴルトベルク変奏曲のCDだ。 ゴルトベルク変奏曲のCDは、グレン・グールドのピアノによるものがポピュラーだが、他にも数多のピアニストが録音していて、チェンバロによるものなどを含めると、それこそ枚挙に暇が…

シューマンのピアノ曲『森の情景』

シューマンのピアノ曲は『クライスレリアーナ』、『子供の情景』について書いたが、今日は『森の情景』について。 シューマンは、特定のジャンルを集中的に書くことで知られ、多くのピアノ曲は20代のときに集中して作曲されているが、『森の情景』は30代…

『琳派展IX「江戸琳派 抱一・其一の粋」』

『プライスコレクション−若冲と江戸絵画展』に行った勢いで、近くの細見美術館にまで足を伸ばした。 →細見美術館HP 細見美術館は、2つの美術館と平安神宮のある文化ゾーンから、または八坂神社・祇園から、アクセスのしやすい、京都岡崎というロケーショ…