ブラームス・交響曲第2番
ブラームスは最初の交響曲を完成させるまでに約20年を費やした。
しかしその直後に着手した第2番は4ヶ月で仕上げている。
ベートーヴェンの成し遂げた交響曲の革新という偉業を意識しながら、推敲に推敲を重ねてようやく辿り着いた最初の交響曲の完成。
商業的にも成功し、スタイルの確立に自信を持ったのか、第2番は短期間で仕上げられ、気負ったところのないポジティブな曲に仕上がっている。
ギチギチに緊張した1番の反動か、2番は穏やかで緩やかで爽やかだ。
その明るい曲調から、ブラームスの2番をベートーヴェンの「田園」交響曲に例える声もある。
この曲でのブラームスはよそ行きの、とても小ざっぱりとした身なり。
普段は服装に無頓着だと思っていた人がジャケットなんかを着ていて驚くような感じ。
勝手に想像するブラームスの性格は決して明るくない。
重厚で地味。頑固者。慎重派のブラームス。
しかしブラームスは案外、明るく親しみやすい一面も持ち合わせていた。
ブラームスが身近に感じられる曲だ。
ブラームスらしさという点では、3番や4番がもっともふさわしいように思うが、2番を私は最も好んでいる。
◇ ◇ ◇
CDは以下の2点を紹介したい。
- アーティスト: Annette Markert,Johannes Brahms,Kurt Sanderling,Berlin Symphony Orchestra,Berlin Radio Chorus
- 出版社/メーカー: Capriccio
- 発売日: 1995/04/16
- メディア: CD
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ザンデルリンクの全集からの一枚。この全集は全曲良いが、2番が私の中で傑出している。ザンデルリンクは主に旧・東ドイツで活躍した指揮者だし、ベルリン交響楽団も旧・東ドイツのオーケストラだ。壁の向こうの音はこうだったと気付かされる暗い響き。ゆったりとしたテンポと地平から響いてくるような音にやられる。
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クライバー盤はDVD。スリリング。速めのテンポ。オーケストラの鳴りが素晴らしく、驚きを与えてくれる演奏だ。
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