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日帰り姫路旅~姫路城と姫路おでん

しばらく休みがなかった中での、久しぶりの休日のこと。


久しぶりの休みをどのように過ごそうか、色々な考えが頭をよぎっては消えた。着替えをして、用意をして、カメラバッグを担いで、私は最終決定を行うことなく、そのまま電車に乗った。そして大阪駅まで来る途中、私はスマートフォンエクスプレス予約のページを開き、姫路と入力していた。なぜ姫路だったのか。距離が絶妙だったからだ。同じか少し遠い場所として、過去には名古屋や岡山には行っていた。その時の記憶は今でも鮮やかだ。ある程度の距離まで行くと、この休みは単なる休日ではなく特別の休みとなるかもしれない。


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私は新大阪駅で『近江すえひろ』の弁当を買う。もう少し後の新幹線にすればよいのにギリギリの時間を購入したため休みなのにタイムカードを押さなければならないかのように急いできた。そのためお茶を買い忘れるという失態をおかす。嬉しい気持ちで弁当の包みを開けた時にお茶を買い忘れたことに気付き、悲しい気持ちで食べ始めた。幸運にも半分くらいまで到達したところで車内販売がやってきた。私は温かいお茶を買うことができた。幸先の良いスタートだった。



周りは出張風のサラリーマン。私は仕事でもないのに、何の変哲もない「ド・平日」に山陽新幹線に乗っていることが素面では信じられなかった。これを酔狂と言わずに他に何を酔狂と言うのだろうか。姫路は新幹線で行くほどの距離ではなく、JRの新快速電車でも1時間半もかからない。それほど遠くはない姫路へさらに時間短縮を図ったことになり、山陽新幹線は一瞬で姫路に着いた。朝の段階ではまさか自分が昼過ぎに姫路にいるとは想像もつかないことだった。追いつかない気持ちを抱えたまま、場所だけが異なっている。そうした違和感が面白い。



さらに、姫路まで行って姫路城に行かないというの選択も面白いと思った。例えば駅前で買い物をして、遠くの姫路城を眺めながら、コーヒーを飲んで帰る。わざわざ姫路で。そんな馬鹿馬鹿しい時間の使い方もオツなものかもしれない。しかし姫路城には行かなければならないだろう。行かないほうが後悔する。そんなわけで、私はともかく姫路城を目指す。駅前の大通りからお城が見えているが、歩くと結構遠い。2キロという距離である。




姫路城に向かって歩く大通りは、歩いている人はそれほど多くないのに、お城に到着してみると、かなりの人出である。混雑している、と言ってよい。国宝で、世界遺産でもあるので、日本人ばかりでなく、というか日本人以外の方がずっと多い。私はずいぶん昔に一度来たことがあったが、その頃は、「好きな人が来る」というレベルだった。今では世界各国から空港に降り立ったツアー客が、駐車場までバスで連れて来られ、そこから大量に城内に送り込まれる。ワールドワイドな観光スポットに変貌を遂げていた。


混雑に萎えるが、私自身がその混雑を構成する一要素でもあるので、それは仕方のないことだ。計画的でない私だからこそ、混雑について論評することは避けなければならない。



姫路城が美しいのは、戦国時代ではなく、安定してから作られたということがある。幸運にして、戦災に遭うこともこともなかった。そうした素性と運の良さに加え、平成の大修復を経て、2015年、白亜の名城の姿が蘇った。こうして近くで見てみると、やっぱり良いと思う。凛とした出で立ちを目にすると、やはり来てよかったと思う。




多くの人の流れに乗って、まずは天守を目指す。平日なので混雑はこれでもましなのだろうが、休日などはどんな状態になるのだろうか。姫路城のホームページでは、「現在の混雑」というページがある。恐ろしい。実際、私が行った日も、少し後には天守への入城規制がかかったようだった。



天気に恵まれ、天守閣からの眺めは最高だった。遠くには先ほどの姫路駅。歩いてきた大通りを眼下に見下ろす。



こうやって上から見ると、お城の作りがよくわかる。私は城について詳しくないが、城マニアからすると、こういうところから見る城の構造は堪らないものがあるだろう。



天守閣前の広場から見上げると、巨大さが際立つ。



西の丸、化粧櫓付近より。


姫路城を見終わった後、また歩いて、姫路駅を目指す。朝昼兼用で食べたのも新幹線だったので、姫路らしいものを食べてみたかった。姫路を代表するようなご当地グルメとは何だろうか。穴子とか、播州ラーメン、姫路おでん姫路おでんにしよう。


駅ビル『ピオレ姫路』に「播州うまいもん処」というフードコートがあって、そこで気軽に姫路おでんを食べることができた。他にも加古川かつめし播州ラーメンなどのご当地グルメを手軽な食べられる店が並んでいる。



姫路おでんの特徴は薬味だ。大根や玉子などの具に加え、姫路ゆかりの具材を使用した蒲鉾。それらを生姜醤油に少量付けて食べる。広いお城の中を歩いたので、疲れていた。姫路おでんで生き返った。


帰りは新幹線ではなくJRの新快速電車に乗った。必要に迫られたメールを打っているうちに尼崎を過ぎ、大阪まであとわずかとなった。遠くて近い姫路だった。


京都や神戸では近すぎてそうはならないが、姫路まで行くと特別な休日を過ごした気持ちになった。それが今回の姫路行きの結論だった。



大阪スカイビルの夕焼け。大阪で用事を済ませているうちに、いつのまにか夕方になっていた。




大阪駅の時の広場では冬のイルミネーションが始まっていた。いつもの大阪に戻ってきたことを実感した。