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冬の京都・御朱印と仏像巡り


寒ささえ我慢すれば、冬の京都は人出も少ないので、意外に旅行向きのシーズンかもしれない。しかし我慢できないほどの寒さである。先日京都に行ったとき、盆地である京都は底冷えが激しくて、心底から凍えるような寒さだった。


以前から趣味にしている仏像巡りに加えて、最近は、お参りしたお寺の御朱印を集めるようになった。もともとは妻の方が先に御朱印集めをはじめた影響なのだが、いまでは週末の休みごとに、どこに参拝して御朱印をいただくか計画を練り、検討を重ねる日々である。



御朱印集めの始まりは奈良だった。こちらが唐招提寺で初めて頂いた御朱印だ。目の前で展開される墨の軌跡に夢中になった。この御朱印帳も唐招提寺で買ったものだ。初めていただいた御朱印は特別なものとなった。


その後、様々なパターンを発見した。達筆な御朱印があるかと思うと、個性的な御朱印もあった(はっきりいって私が書いたほうがよかった)。しかし、そもそも御朱印とはお経を書き写して収めた証にいただくものだ。うまい下手は言わないようにしよう。御朱印をいただくのは、お寺についてより深く理解をするため。確かに、御朱印を集めるようになってから、以前よりも参拝の時の印象が深くなった。


そんなわけで御朱印集めが趣味の一つとして加わった。今週日曜日には京都まで足を延ばした。今回の目的は御朱印に加え、「素晴らしい仏像に出会う」旅。冬の京都は本当に空いていた。日曜日などは相当混雑するはずの京都の道を車でスイスイ走ることができた。


■東寺


関東の方面に新幹線で出かけ、大阪に帰ってくる途中に停車する京都駅で新幹線から当時の五重の塔が見えてくると、関西に帰ってきた感覚がすごくある。東寺の印象はそんなふうだ。しかし私は一度も行ったことがなかった。大学を京都市内で過ごしたにもかかわらず、東寺には行かなかった。仕事で頻繁に京都を訪れていた時もスルー。いつでも行けると思っていた東寺が遠かった。



初めて訪れることになった東寺は、行ってみてよかった。質、量ともにハイレベルで、おそらく京都でもベストスリーに入る。この仏像体験は他では得られない。



講堂。こちらでお参りできるのは仏像のオールスターとも言えるような立体曼荼羅だ。密教の教えを表す曼荼羅を21尊の仏像で示したもので、英語での名称はその名も「3D MANDALA」。大日如来を中心とする如来エリア、お堂の両端に多聞天広目天などの天部。如来エリアを挟むように、明王エリアと菩薩エリア。ここまで濃厚な仏像体験ができる場所が他にあるだろうか。



金堂には薬師三尊がある。薬師如来の台座を十二神将が持ち上げている。


加えて、五重塔の内部(初層)も特別拝観がされていて見ることができた。立体曼荼羅における如来エリアと同じ配置だが、如来自身はなくて、なんと中心の柱を如来に見立てている。普段非公開なだけあって、保存状態も素晴らしく、鮮明な絵も残されていた。


東寺はホームページも非常にセンスが良いので、ご覧になったことのない方には、ぜひ一度見ていただきたいと思う(→東寺のHPはこちら)。



こちらが東寺でいただいた御朱印。「弥勒菩薩」を表す梵字に、「弘法大師」と書かれている。書いていただいたお寺の方はかなりの達筆で、相当な腕の持ち主と見た。立体曼荼羅を有す東寺の御朱印は、大変ありがたいものだ。


三十三間堂


私がアメリカ人なら「ワンダフル!」と感嘆しただろう。京都のお寺で仏像の素晴らしさに圧倒されたかったら三十三間堂が良い。なにしろ一つ一つ顔の違う1000体以上の千手観音立像と、中央にデーンと構える千手観音坐像。しかもお堂の両端には風神・雷神像。さらに二十八部衆。圧倒的な空間だ。



三十三間堂は、正式には蓮華王院という名で、江戸時代から続く通し矢の行事でも知られている。また、この長いお堂を舞台に、吉川栄治の『宮本武蔵』で決闘が描かたことでも知られている。三十三間堂における決闘はフィクションだが、目を閉じると躍動する宮本武蔵の姿が浮かんでくる。現実以上にリアリティがある。



せっかく京都まで来たので、帰る前に一澤帆布に寄った。お寺などで御朱印を書いていただくには大体300円ほど収める必要があるのだが、その際に千円札を出したりするのはよくないので、小銭を入れるのに丁度良さそうな財布を買った。これで今後の御朱印巡りも万全だ。


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