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『重亭』のハンバーグ


『重亭』のハンバーグについて一度書きたいと思っていた。『重亭』は大阪のなんばにある老舗の洋食店で、『鬼平犯科帳』などで知られる小説家の池波正太郎氏が通ったことでも知られている(→お店のホームページはこちら)。私は大阪に住んで10年近くになるが、大阪のなんばの千日前付近に行ったときには、かなりの確率でこの店で昼食か夕食をとる習慣となっている。


この店に行った後で私の中で確実に変わったものがあるとすると、ハンバーグを食べる時の評価基準ができたことだ。いまだに、『重亭』のハンバーグは、私の中で、唯一の存在『ザ・ハンバーグ』に位置している。他の店に行っても、『重亭』のハンバーグが基準となっている。


それでは重亭のハンバーグについて語っていこう。



ハンバーグステーキ。1,100円。ライスは別で150円。


まず、キャベツが素晴らしい。0.5ミリ程度の丁寧な千切り。ほんとに見事な千切りで、口に入れると周りの空気を含んで躍動する。ハンバーグを語るのに、キャベツから触れるというもの変な話だが、私は毎回、キャベツに感動する。こういうところには料理人の思想が出る。すべての仕事を疎かにしない人だ。


付け合わせのスパゲッティもおいしい。麺が細く、冷たくなってもアルデンテの雰囲気が残っている。ないよりはあるほうがマシレベルの店があるが、これだけを一人前食べたいレベル。


そしてハンバーグ。ハンバーグは「ミンチ感」を第一に感じる。つなぎは少なく、肉が主役の歯ごたえのあるミンチで、食べ応え十分だ。なのに脂っこさは全然なくて、あっさりしている。ソースは苦みのない照り焼きソース。流行りのオシャレ洋食の店とは違って、ご飯と合うハンバーグだ。家庭的でありながら熟練している。毎日食べても飽きないし、風邪をひいて食欲がない時も食べられる。こういうスタイルのハンバーグってよくありそうだが、なかなかない。他の店ならば、柔らかすぎたり、ソースが苦かったりと、評判の高いハンバーグを食べても多少は引っかかる部分がどこかにあるものだが、『重亭』にはそれが全然なかった。王道のハンバーグだ。


名物はこのハンバーグのほかにポークチャップで、この2点が看板メニューとなっている。ビーフカツも、ほかに冬ならカキフライもあるし、一通り、洋食屋のメニューがそろっている。何回か通う中、相当な常連らしき客がオムライスをよく注文しているシーンに遭遇し、私も注文したことがあったが、こちらも想像を超えた美味しさだった。


と、そんなことを書いていたら、『重亭』のハンバーグが無性に食べたくなってきた。また近々行ってみたい。


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