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京都『スマート珈琲店』のスマートランチと相国寺・2019立冬


『スマートコーヒー店』でなく『スマート珈琲店』。「コーヒー」を「珈琲」と書くと、とたんに香りが出てくる。『スマート珈琲店』の特徴は、1階は喫茶、2階はランチということだ。老舗珈琲店のランチが人気を呼び、今に至る。そしていつでも混んでいる。4~5年前は今ほど混雑していなかったように思う。ランチは混雑することもあったが、1階は土日でも座ることができた。京都の老舗店らしく、混雑していても、基本的に相席にはしない。一人だろうが二人だろうが、四人だろうが、その時点で空いている席に通し、席についた人の時間を尊重する。そのため店の外の行列は紅葉の時期などはけっこうなものになってくるが、回転率を上げるなどのオペレーションを優先してないことが、顧客ひとりひとりを優先することになっている。結果的には満足度が高い。待ちたくなければ、早く行けば良いし、『スマート珈琲店』ではランチの予約も受け付けている。


私が行ったときは、紅葉の時期だったので、混雑を予想し、開店11時より15分ほど前に店の前まで行った。平日にもかかわらず、その時点で5組くらいの列ができていたのに一瞬驚いたが、続いて並んでおいた。私の前に並んでいた西洋の外国人カップルは、開店10分前になって諦めたようだった。あと少しの時間なのだが、何か他の用事を思い出したのだろうか。その10分待つことが困難だったのだろうか。私に続き、さらに二組が並ぶ。そして時間ぴったりに前の人から呼ばれていく。並んでいたすべての人が2階に通された。紅葉の時期ということで身構えていたが、その心配は杞憂に終わる。


メニューを渡されて、見てみると、ハンバーグやエビフライなどの洋食の定番に加え、オムライスやハヤシライスなどの単品もあるようだった。しかし大きく書かれていたのは、定食である「スマートランチ」だった。その、メイン料理を選ぶ仕組みの「スマートランチ」をほとんどの人が注文している。メイン料理は次のとおりである。

下記より2品チョイス

  • クリームコロッケ
  • エビフライ
  • ハンバーグステーキ
  • ベジタブルオムレツ
  • ポークソテー
  • ポークカツ
  • チキングリル(香草風味かトマト味)
  • チキンカツ
  • 本日の1品

※プラス400円で3品目チョイス可


私はまずベジタブルオムレツを食べたかった。しかし加えて、ハンバーグとエビフライも食べたかった。私の隣の席に座っていた老婦人二人組のうちの一人は、ポタージュを注文していた。はっきり覚えていないが、ポタージュは500円くらいと書かれていたはずだ。私はスープを注文する気はなかったので、それに比べると安い400円で3品目を追加できるというのはとても魅力的に映った。私は食べてみたかった3品をすべて選び、料理の到着を待った。



すごいものが来てしてしまった。やはり2品がスタンダードで、3品というのは多すぎただろうか。2品が大人にはちょうど良いのだろうか。3品は学生向きだろうか。しかし私はこの3品から2品に減らす自信がなかった。どれも食べたかったものだ。気を取り直して、私は食べ始める。ベジタブルオムレツは外側はこんがり、中はふわふわという、熟練の技を感じさせるものだ。中身はもやし、玉ねぎなどの野菜がしっかり入っており、かなりのボリュームとなっている。こんなにオムレツらしいオムレツを食べるのは久しぶりだった。エビフライは小ぶりだが身の詰まったエビが使われている。そんな中、他との違いを感じさせたのはハンバーグである。よくあるハンバーグとは一線を画した、洋食店らしいハンバーグで、牛肉をたっぷり使用し、つなぎを感じさせないハンバーグに、濃厚なソースがかかっている。



私が期待していたのは、まずベジタブルオムレツで、続いてエビフライ、最後にハンバーグだった。しかし、結果は、ハンバーグ、ベジタブルオムレツ、エビフライの順だった。エビフライは大きさがやや弱い。しかしこの大きさは意外にちょうどよく、トマトソースのチキングリルなどと組み合わせると、また違った嬉しさをもたらしてくれるかもしれない。


私はたっぷりのランチを堪能し、席で会計を済ませ(2階の会計は席で行う)、階段を下りる。そして店を出ると、ランチ待ちの列ができており、5~6組が並んでいた。やはり混雑する店なのだ。





その後、食後の軽い運動に烏丸御池まで歩いた。季節はすっかり秋で、木々の葉の黄色や赤が鮮やかだった。烏丸御池から地下鉄に乗り、今出川で降りた。グルメの後は名所である。食事と観光は切り離せない。今出川から近い相国寺で秋の特別拝観が行われていることを知っていた。今出川キャンパスがあるため同志社大学の学生がたくさん降りた。平日、勉強する学生に混じって、社会人である私が今日は仕事もせずに京都で遊んでいるのは不思議な感じがした。


相国寺は、庭園や仏像は特別拝観のシーズンしか鑑賞することはできないが、境内の『承天閣美術館』に素晴らしいコレクションを持っており、過去に私は時々訪れていたが、最近はまったく行っていなかった。




観光的に言うと、京都が一番混雑する紅葉の時期なのに相国寺は穴場だ。空いている。きっと土日でも混んではいないだろう。アクセスも容易で駅から近い。外国人をはじめとして観光で訪れる人の流れが、こういうところまで行き渡るようになることはまだ先だろう。しかしそんな状況は別にして、相国寺の特別拝観は素晴らしかった。季節は立冬を過ぎていたが、紅葉は見頃。秋の京都を堪能した。