岡山の旅(2)後楽園・岡山城・岡山県立美術館
【↓↓↓岡山の旅(1)『天神そば』・『冨士屋』~岡山ラーメン編↓↓↓】
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『天神そば』で遅い朝食(早い昼食)を食べた後、歩いて後楽園に向かう。後楽園は、江戸時代の岡山藩主、池田綱政が作らせた回遊式庭園で、水戸の偕楽園、金沢の兼六園と並ぶ日本三名園の一つだ。
広大な園内には、旧藩主の居間・延養亭や能舞台も復元され、池、水路、丘、梅林、花菖蒲畑、楓林、水田、茶畑、鶴舎を擁し、四季折々、様々な景色を見せる。スケールの大きな庭園で、大名庭園というのに相応しい庭園だ。
園の中心にある沢の池からは岡山城が見える。そこまで行けそうなので、後で行ってみようか。
茶畑。楓林。林は紅葉の時期には綺麗だろうが、今の季節もとても良い。
岡山には仕事で何度も訪れていたが、その期間には後楽園に行ったことはなかった。もっと昔に一度、青春十八きっぷで瀬戸内海を周遊したときに訪れて以来だった。その時は真夏で、今日以上にカンカン照りで猛烈に暑かったことが思い出された。
園内には水路が張り巡らされている。水もとても澄んでいる。あらゆるところが丁寧に手入れされている。
昔訪れた時との違いは、外国人観光客が多いということだった。とくに中国や韓国からの観光客が多い。昔は中高年の観光客が多かったように思ったが、現在は園内の休憩所でも外国の人が多い。後楽園はメジャーな観光スポットで、しかも日本三名園だからだろうか。それはともかく、後楽園は相変わらず素晴らしい庭園で、どこを切り取っても見どころで、久しぶりに来てみて良かった。
後楽園から岡山城まではすぐだった。後楽園の南門から出て月見橋を渡ろうとしたところ、岡山城の姿が目の前にある。岡山城は、黒い外観から『烏城』という別名を持っている。戦国大名、宇喜多秀家による城で、現在の天守閣は昭和の復元である。城の周囲は烏城公園として整備されている。
昨今、城ブームだが、私は城について全然詳しくない。そんな私にとって、岡山城はかなり好きな城だ。旭川沿いというロケーションも良いし、緑が豊富なところも良いし、宇喜多秀家、小早川秀秋という関ヶ原の戦いの重要キャストが城の歴史に登場するのが良い。また復元の天守閣の立ち姿が凛々しい。
天守閣の内部は資料館となっていて、歴史を学ぶことができる。岡山城は財団法人日本城郭協会による日本100名城にも選ばれている。
城というと大阪城みたいに広いイメージがあって、かなり歩くのではないかと思うのだが、岡山城の敷地はそれほど広大というわけではなく、限られた時間でも、後楽園とセットで訪れることができた。
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5月の終わり。新緑の季節。街中に緑が溢れている。
その後、まだ時間があったので、岡山県立美術館で『国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア展』で、イワン・クラムスコイ『忘れえぬ女(ひと)』を鑑賞した。
フェルメールの『青いターバンの少女』みたいに印象的なその絵は、かなりの有名作品で、様々な解釈がされている。またモデルは不詳だとも、アンナ・カレーニナのモデルを描いたとも言われる名画である。そのほかにも、岡山県立美術館に、19世紀後半から20世紀初頭のロシア美術のコレクションが集まっており、私はまるでチャイコフスキーの交響曲を聴いたように濃密な時間を過ごした。
美術館を出てしばらく市街地を散策する。岡山市中山下付近。この辺りは昔よく歩いた。もう少し歩くと、バスターミナルがあって、天満屋があって、紀伊国屋書店のあるクレド岡山があって、と次第に記憶がよみがえってくる。
表町の商店街。以前、この辺りの漫画喫茶に行ったことを思い出したが、その店は発見できなかった。『天神そば』、岡山シンフォニーホール付近で、岡山県立美術館、岡山市立オリエント美術館、後楽園などのカルチャーゾーンにも近い。
路面電車に乗って、再び、岡山駅に戻ってきた。そして、『冨士屋』で二杯目のラーメンを食べることになるのだが、食べた後、帰りの新幹線まで少し時間が残っていた。私は奉還町の商店街にあるカフェで休憩し、時間をつぶした。
岡山駅できびだんごのお土産を買い、帰りの新幹線に乗った。家には6時には着いて、いつものように子供を迎えに行く日常に戻る。世間は平日。私にとっては休日らしい休日となった。岡山あたりまで行くと、気分も違った。それが結論だった。