大フィル定期・第406回2日目・エルガーとホルスト
大阪フィルの定期演奏会に行ってきた。今期最後の演奏会だ。
行けるかどうかわからないままチケットを買ったのだが(→過去の記事はこちら)何とか行くことが出来た。4時まで仕事で岡山にいたのだが、すっ飛んで帰ってきた。コンサートのために。
大阪フィルハーモニー交響楽団
第406回定期演奏会 3月29日(木)・30日(金)19:00開演
ザ・シンフォニーホール
指揮:秋山和慶
女声合唱:ザ・カレッジ・オペラハウス合唱団
◇ ◇ ◇
エルガーのチェロ協奏曲は、2007年、エルガーイヤー(生誕250年)に相応しい名曲。
コンチェルトではソリストが突っ走って音楽がまとまらないこともあるが(オーケストラとソリストが全然合わない演奏には時々遭遇する)、今日はそんな演奏とは無縁だった。
お互いを気遣う余裕の感じられる、大人の演奏。
ジャン・ワンのチェロの音色は素晴らしかった。「滑舌が良い」とでも言おうか、響きがよく通る。チェロが巨大に見えた。
ホルストの方はさらに良かった。なかなか聴けない名演に遭遇した思いだ。
第1曲「火星」。音量が凄まじかった。攻撃的。大編成の強みが生きる。
第3曲「水星」。個人的に好きな曲。ユーモラス。
第4曲「木星」。ゆったりテンポ。厚みのある弦によって歌われる旋律が美しかった。
全然関係ないが、2曲目の「金星」の透明感のある弦パートを聴いて、秋山和慶さんと大フィルのコンビでシベリウスを聴きたいと思った。この音色はシベリウスにきっと合うはずだ。2007年はシベリウスイヤーだが、来期の大フィルの定期にシベリウスのプログラムがない。だから尚更そう思った。
私が一番良かったのは、6曲目の「天王星」だ。ホルストの「惑星」は大変に演奏効果の高い曲だが、イケイケでやると崩壊する。それが今日の演奏では抑制がきいていて、「天王星」で様々なパートが錯綜する部分の几帳面な整理の仕方が実に素晴らしかった。
最終曲の「海王星」は女性合唱入り。神秘的で余韻の残るフィナーレだった。合唱は舞台にはいなかったのでどこで歌っているのだろうと思ったら、舞台袖で歌っていたようだ。見えないのに聴こえる声がミステリアスだった。
大フィルは、今期最後の演奏会に相応しく、非常に高いレベルの演奏を見せてくれた。岡山から帰ってきてよかった。
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