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デ・ブルゴス×ドレスデン・フィルのブラームス4&2


ドレスデン・フィルのブラームス・チクルス。2日目。


1番と3番を演奏した昨日は残念ながら行くことが出来なかったのだが、今日は無事、行くことが出来た。

ドレスデンフィルハーモニー管弦楽団
ブラームス・チクルス(2)


2008年6月29日(日)14:00 ザ・シンフォニーホール


[指揮]ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス
[管弦楽]ドレスデンフィルハーモニー管弦楽団
[プログラム]
ブラームス交響曲第4番
ブラームス交響曲第2番


http://www.asahi.co.jp/symphony/symphony2008/c20080628.jpg
(↑画像はザ・シンフォニーホールのHPより)


オーケストラの配置は、ステージ向かって右側に低弦が位置する通常配置。


指揮者フリューベック・デ・ブルゴスはキャリアからいって大物指揮者と言っても良いが、私が実演に接するのは初めて。

印象はまず、「手が長いな〜」ということだった。そしてその手が上下左右に良く動く。全身を使った大きなアクションは少なく、基本的には胸から上の動きでの指揮だった。高齢のはずだが、アンコールも含めて(ハンガリー舞曲だった)、全て暗譜で通した。出てくる音楽は、最近の気鋭の指揮者が良くやる理知的で精密な音楽というのではなくて、ダイナミックで、力がこもっていて、意欲的で、重厚な、昔レコードで聴いていたようなクラシック音楽だった。


何といっても秀逸だったのが、ヴァイオリンやチェロをはじめとする弦の音色。昔の家にひとつだけあったような、上質な木の家具のように、艶(つや)のある音色。琥珀のようだとも思った。しかもパワーも持ち合わせている。強靭さがあった。日本のオーケストラにはない音だった。


フルートなど木管の表現力も素晴らしかった。よく鳴っていた。難しいホルンはハラハラすることも多いのだが、ミスがなかった。


演奏の出来は、私は2番よりも4番の方が上だと思った。


4番。季節で言うと秋から冬。人生で言うと晩年を思わせる。枯れの境地ともいえるような曲で、私はそれほど好きな曲ではないのだが、とても立派な演奏だった。感傷べったりではなく、毅然とした、端正で厳しさの漂う演奏だった。


2番は私はかなり好きな曲なのだが、疲れているのか、緊張感がやや足りないのか、気持ちが空回しかけるような感じを受けた。あるいは、「重い4番の後に2番」というプログラムに問題があって、聴く側の構えの問題も多いのかもしれない。プログラムに関して言うと、「1番2番」のセットにするとこちらの方だけ完売してしまうだろうし、「2番のあとに4番」だったらすんなり行くはずだが、それではきっと盛り上がらないだろう。チクルスの企画というのはなかなか難しいと思った。いずれにしてもテンポはもう少し遅めの方が私は好みだった。尤も、後半にかけてかなり持ち直してきて、最後は素晴らしいフィナーレだった。フィナーレは力がこもっていた。


ドレスデン・フィルの音色。今日はこれに尽きる。ドイツのオーケストラによる伝統的なブラームスを堪能した演奏会だった。


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