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できること・募金・オーケストラの取り組み


日に日に数を増していく犠牲者の数、被災地の実態を知るのが辛い。


亡くなられた人の数が4000人とか、数万人規模になるだろうとか言われているが、私にはその意味がはっきりと理解できない。理解できないというよりも、現実の重みに思考停止に陥る。地震が起こるまで幸せに生きていた人たちが、何も悪いことをしていないどころかむしろ善意ある市民であるのに、無情な自然災害によって突然姿を消してしまい、姿を消した人の数が4000人とか言われても、その数字は膨大すぎてリアリティを感じないのだ。


かわいそうだとか、ひどいとかそんな感情を超えたあまりにも巨大な出来事に、呆然とするほかない。


では、自分になにができるのか考えた時にできることは限られている。現地でいま必要とされているのは、ボランティアより救援だ。救援に続いては被災者の医療のための医師と看護師が必要だ。一般人がむやみに行っても、ただでさえ少ない物資がさらに不足するばかりだ。物資についても水や毛布を送ったらよいかというとそんな単純なことではなく、現場のニーズを正確に知るのは困難だ。だから現段階でできることといえばまず募金(義援金)だ。復興には時間もかかるし国家予算レベルの費用がかかる。お金がありすぎて困ることはない。ではどこに募金するのかというと迷う。きちんと被災地に届けられるのか怪しいところもある。様々な立場、様々な団体が存在しているので、迷ったら日本赤十字社(日赤)を通じての募金がよいと思う。海外での災害の時も日赤は活動しているし、災害救護活動や国際活動を中心任務としている団体であり、募金の実績もある団体である。迷ったら、確かだとは思う。ホームページでは準備中と書かれているが、準備が整ったら私もするつもりだ(→日赤のホームページはこちら)。


募金ということで言うと、関西にあるオーケストラも様々に呼びかけを行っているようだ。オーケストラというものは『社会的な存在である(べき)もの』だとあらためて実感する。今後、チャリティを全面に訴えた企画もされていくことだろう。私も可能な限り協力していきたい。


■大阪フィルハーモニー管弦楽団

「第446回定期演奏会 開催について

3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

大阪フィルハーモニー交響楽団では、3月15日(火)、16日(水)の「第446回定期演奏会」を予定通り開催いたします。
このような未曾有の事態の中、私たちには一生懸命音楽を演奏することしか出来ませんが、“音楽の力”が人々の心を癒し勇気付ける事を心から願っています。

なお、当日の会場ロビーにて被災地への義援金募金箱を設置致します。集まった義援金は、日本赤十字社を通して被災地へ寄付させて頂きます。

皆様のご支援・ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。」(大フィルホームページより)


大フィルはスマトラ沖地震の時にもヒラリー・ハーンソリストに迎えて、チャリティコンサートを行った。日本でチャリティというのはそれほどなじみのある文化ではないが、西洋発祥の文化の一端を担うオーケストラがそれを率先して行っていて、尊敬に値する。


関西フィルハーモニー管弦楽団

「明日3月13日(日)「大阪市中央公会堂特別演奏会」予定通り開催

このたび発生した東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 関西フィル大阪市中央公会堂特別演奏会」は明日3月13日(日)予定通り開催いたします。なお、本公演の収益の一部を、平成23年東北地方太平洋沖地震の被災地へ寄付させていただきます。また、当日の会場ロビーにて、被災地への義援金募金を呼び掛け、みなさまの温かいご支援・ご協力を頂きたく、募金箱を設置いたします。
 集まった義援金は、日本赤十字社を通じて被災地へ寄付させていただく予定です。(現在、義援金については日本赤十字社も関係機関と調整中です。詳細は関西フィルホームページ上で引き続きご報告させていただきます。)以上、何とぞご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 特定非営利活動法人 関西フィルハーモニー管弦楽団」(関西フィルのホームページより)

関西フィルのコンサートにはそれほど行ったことがないが、13日と言えば、地震の2日後である。すぐに始める取り組み、こういう社会的な感覚は素晴らしいと思う。


京都市交響楽団

平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震義援金を、3月13日に開催した「オーケストラ・ディスカバリー」会場にて受け付け、591,221円の義援金が集まりました。この義援金は、京響から支援団体を通じて被災者の皆様へお届けいたします。ご協力いただきました皆様に心から感謝申し上げます。また、今後とも京響自主公演会場には義援金BOXを設置いたしますので、ご協力をよろしくお願いいたします。」(京都市響のホームページより)

もともとは自治体直営だった京都市交響楽団はさすが取り組みも市民の目線である。今回、いろいろなオーケストラのサイトを見たが、取り組みをしているかどうかも含めて、試みは様々である。いち早く行動しているオーケストラに対し拍手を送りたい。


まだ取り残されていて不安な夜を過ごされている被災者も多いと思う。いまは一秒でも早い救助を祈りたい。