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にごりワイン


先日、滋賀県東近江市に行ったとき、『ヒトミワイナリー』に寄り、にごりワインを買ってきた。『ヒトミワイナリー』は旅行ガイドにも載っているくらい有名だが、実際、日本全国にどれほどの知名度があるかは知らない。


最近、特にこの5〜6年くらいのことだろうか、日本のワインが急激に美味しくなったと言われている。昔から飲んできた実体験から言っても、確かにおいしくなったと思う。ワイナリーによっては本当に素晴らしいものがある。スーパーで売っている輸入ワインでは太刀打ちできない。



このワインはもう大変なおいしさだった。


一言でいうと、飲んだことのない味だった。こういう味を発見できたことが嬉しい。


鼻から抜けるようなアルコール臭さが少ない。荒々しいというか、素朴というか、自然というか、飲んだことのない味だった。それでいて下品だとかまとまっていないわけではなく、これはこれで素晴らしく完成されたワインだった。飲みながら、「なんだろう、この味は」と不思議で仕方がなかった。私は、にごり酒みたいなものをイメージしたが、それは全然違った。今まで飲んでいたワインは何だったのだろうという、ちゃぶ台をひっくり返すようなインパクトがあった。


味を表現する言葉がなかなか見つからないので、オーケストラに例えてみたいと思う。この味は、オーケストラに例えると、規模も大きくなり響きも厚くなった20世紀の大指揮者時代の演奏ではなく、1980年代にブームになったピリオド楽器の演奏がもっとも近い。そうだ、指揮者のフランス・ブリュッヘン18世紀オーケストラを振ったベートーヴェン交響曲全集がこんな雰囲気だった。荒々しい、素朴、自然、それらの言葉は、ブリュッヘンベートーヴェンの録音にそのままあてはまる。


この手のワインとしては価格も安く(1,000円台)、日常的に飲めるのが嬉しいところだ。次に滋賀県に行ったときには、多少遠回りになっても、何本か買っておきたいと思う。


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