ミュンヘン−3つのピナコテーク
ドイツは美術大国で、各地に世界的な美術館がある。例えば、ベルリンの絵画館(Gemäldegalerie)とナショナルギャラリー、ドレスデンの新旧2つのマイスター絵画館、ハンブルク美術館、フランクフルトのシュテーデル美術館、ケルンのヴァルラーフ・リヒャルツ美術館、などなど、美術に関心のある人以外にはあまり馴染みがないが、素晴らしいコレクションを誇る美術館がいくつもある。
ミュンヘンには、旧(中世)−新(近代)−現代をそれぞれ網羅する美術館がある。
アルテ・ピナコテーク、ノイエ・ピナコテーク、ピナコテーク・デア・モデルネの3つがそれだ。「ピナコテーク」というのは「ギャラリー」や「絵画館」と訳すらしい。
私は昔、美術部に2日間(!たった!)入部していたことも関係あるのかどうか、西洋絵画がとても好きで、ミュンヘンの3つのピナコテークを訪れることが旅行の目的の一つだった。
■アルテ・ピナコテーク(→HPはこちら)
15〜18世紀のヨーロッパ絵画を展示。
レオナルド・ダ=ヴィンチの『聖母子』、ラファエロ、メムリンク、デューラーの『自画像』、アルトドルファー、ルーベンス、ブリューゲル、レンブラント。ムリーリョ、エル・グレコ、プッサン、ブーシェ。歴史的な名画の膨大なコレクション。丹念に見ていったら一体どれくらい時間がかかるだろう。
レンブラントの連作、『十字架降架』。一枚一枚のサイズは大きくない。立ち止まってじっくり見た。悲劇の中に静謐で神聖なものを感じた。周りの音が聞こえなくなって物語に入り込んだ。
■ノイエ・ピナコテーク(→HPはこちら)
19〜20世紀半ばまでの絵画を展示。
クールベ、ドラクロワ、マネ、モネ、カミーユ・ピサロ、シスレー、セザンヌ、ゴッホの『ひまわり』、ゴーギャン、ポール・シニャック、セガンティーニ、ロヴィス・コリント、マックス・リーバーマン、ベックリン、クノップフ、クリムト。他いろいろ。
マネの『アトリエでの朝食』。心が洗われるようだ。ゴッホの『オーヴェールの平原』。緑、青の鮮やかさに目を奪われた。
"Blicke auf Europa"(Views on Europa)という特別展が開催されていて、こちらも秀逸だった(→展覧会のHPはこちら)。
「イタリア」、「スカンジナビア」、「ギリシャ」、「ロシア、ポーランドとバルト海」など、その地域にちなんだ絵画が並べられていて、タイトル通り、様々な画家がヨーロッパの光景をどう見てどう描いてきたか、いろいろと楽しめる展覧会だった。
特別展ということで、以前にベルリンで見たフリードリヒの絵画があって、昔の友達に再会したように、予想外で嬉しかった。
■ピナコテーク・デア・モデルネ(→HPはこちら)
「アルテ」、「ノイエ」、「モデルネ」の3つの美術館の関係は、パリの「ルーブル」、「オルセー」、「ポンピドゥー・センター」の関係に良く似ていて、ピナコテーク・デア・モデルネは現在進行形のアートも含めて現代美術を展示している。新しいピナコテークなので、昔の版の『地球の歩き方』には載っていない。
私が訪れた日は、残念ながら多くのギャラリーが改装工事中だった。そのお詫びが書かれているとともに、チケットが9.5ユーロのところ、6ユーロに下がっていた。現代絵画でまともに見られたのは、ゲルハルト・リヒターぐらい。反面、工業デザイン部門はすべて見ることが出来た。ソニーのパソコン、プレイステーション、シャープの液晶テレビ、マッキントッシュ、プーマのスニーカー、ポルシェのスポーツカーなど、工業製品の膨大な展示。マニアック。こちらに関心のある人は、十分楽しめただろう。
◇ ◇ ◇
ミュンヘンでは市電の回数券を買ってあちこち出歩いた。
■フラウエン教会
■新市庁舎・マリエン広場
新市庁舎の塔は工事中で、見るも無残な姿だったので、工事の幌が写らないように写真を撮った。
■オデオン広場
ヨーロッパの広場は、何もせずにただボーっと佇んだり、町並みを眺めているだけでも充実した時間を過ごせるような感じがして好きだ。マリエン広場よりも広くて、人も溢れていないので、私はこの広場が好きになった。
■ケーニヒスプラッツ
ミュンヘンは人が多くて賑やかな町だった。住んでみるといろいろ難しい面もあるのかもしれないが旅行者として訪れるミュンヘンは最高だった。都会にありがちな冷たさがなくて人々は陽気で昼間からビールを飲んでいる。
美術観賞と観光に疲れたらビール!
というわけで、明るいうちからビールを楽しんだ。
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