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京都市美術館の2大展覧会その1『ワシントン・ナショナル・ギャラリー展』


季節外れの夏休みを取っている。休み中にやりたいことをいくつかメモしていて、そのうちの一つがアート鑑賞だった。目的地は京都市美術館だ。京都市美術館では現在、2つの大規模な展覧会が開催されている。

フェルメールからのラブレター展
コミュニケーション:17世紀オランダ絵画から読み解く人々のメッセージ』
6月25日(土)― 10月16日(日)

『ワシントン・ナショナル・ギャラリー展
印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション』
9月13日(火)― 11月27日(日)


この展覧会の開催のずいぶん前、美術館のホームページで、「今後の展覧会予定」を見たときには目を疑った。これほどの大規模な展覧会の場合、連続することはあっても、並行することはあまりない。しかも、「フェルメール」と「印象派」である。ありえない。このレベルの特別展が同時に開催されていることなど、私の記憶する限りでは一度もない。


フェルメールからのラブレター展』(以下、『フェルメール展』)の方が先だって6月から開催されているのだが、『ワシントン・ナショナル・ギャラリー展』が今週月曜日から開催されているために、こうした事態になったのである。9月13日から、『フェルメール展』が終わる10月16日までの1か月強、この2大展覧会が楽しめることになる。



どんな感じで行われているのか、行ってみてよくわかった。京都市美術館の建物は、左右対称になっており、いわば「左ウイング」で『ワシントン・ナショナル・ギャラリー展』が、「右ウイング」で『フェルメール展』が開催されていたのである。


主催者も別なので、チケットブースも左右に別々に設けられていた。統一チケットもなく、片方しかチケットを持っていない場合、片方を観終わってから、また別の方のチケットブースに並ぶことになる。



私は『ワシントン・ナショナル・ギャラリー展』のチケットを事前に買っていたので、そちらから観ることにする。混雑は平日ということもあり、予想していたよりも少なかった。せいぜい「絵の前に1列」程度。『フェルメール展』の方と分散したのか。しかし平日でこれだったら、土日はかなりの混雑になるだろう。ともかく、このくらいの混雑なら、なんとか絵に集中して鑑賞できる。


印象派をハイライトに、印象派前夜から、ポスト印象派へと、歴史の流れに沿って展示されていく構成が自然で、すぐれた展覧会であった。日本初公開の作品も含め、印象派の代表的画家の一線級の作品が惜しげもなく展示されている、太っ腹な見せ方で、かなり見ごたえのあるものだった。よくこれだけ拠出してくれたものだと思う。


私が特に感銘を受けたのが、ゴッホの『バラ』という絵だった。


http://www.nga.gov/image/a0004a/a0004a15.jpg
(↑画像は『National Gallery of Art, Washington, DC』より)


ゴッホの最晩年に当たる1890年の作品で、サン=レミの精神病院からの退院の直前に描かれた作品である。生き生きとした、うねるようなタッチは健在で、咲き誇る花を描くことで再出発を期そうとする、ポジティブな気持ちが現われている。しかしよく知られているように、ゴッホは拳銃を取って自ら死を選ぶ。この絵が描かれた同年のことである。


続いて『フェルメール展』に向かう。こちらは混雑が想像以上にすごかったが、内容も想像をはるかに超えて、傑出したものだった。これはまた次の機会に書きたい。(続く【⇒フェルメールからのラブレター展のブログはこちら】)


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