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バレンボイムのコンチェルト


2011年に発売されたバレンボイムによるショパンのコンチェルトのライブCDが素晴らしい。


この演奏を聴いて、歴史に残る名盤の登場だ、と思った。先日、同じバレンボイムによるショパンのリサイタルアルバムについて書いたが、コンチェルトについては、それよりもさらに一段レベルの高い演奏となっている。


ショパン:ピアノ協奏曲

ショパン:ピアノ協奏曲


当初はまず違和感があった。この曲ってこんなにゴツゴツしてたっけ。ゴツゴツしている感じた最大の理由はオーケストラが予想外に力強かったからで、つまらないと言われるこの曲の伴奏を、ここまで生きた演奏にできるのかという感じだった。調和よりは対比を浮かび上がらせることで、表情の彫りを深く描き出す。逆に弾き振りだったらこんな風にはいかないだろう。若い指揮者が、巨匠をソリストに迎えると、こういう充実した演奏になるのか。よくできた韓国ドラマみたいに濃厚な演奏である。


そしてピアノは、合理的な解釈に基づいた理知的なアプローチを見せ、音色はクリアーだ。打鍵は極めて繊細で、巨匠の風貌から想像されるような図太いスタイルでは決してない。水がおいしい辺鄙なところで食べる蕎麦のように清々しく、のどごしが?よく、流麗である。また、細部へのこだわりが半端でなく、隅々にまで美学が行き渡っている。冴えわたる。聴き流していた部分がこんなに美しかったのかという発見がある。


多彩な表現が聴きどころで、私のCDラックのショパン・コーナーのチャートでは、ツィマーマンのポーランド祝祭管の弾き振りと並んで、一位の座にある。三位はアルゲリッチデュトワで、これは発売当時は最強の演奏だったが、それを超えたところに位置している。


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