Bose『Quiet Comfort 25』
BOSEのノイズキャンセリングヘッドホン『Quiet Comfort 25』を購入した。
もともと私はソニーのノイズキャンセリングイヤホンを持っていたが、ヘッドホンにも興味があった。耳がすっぽり隠れるようなヘッドホンでノイズキャンセリングを効かせて音楽を聴いたら、どんなに快適だろうか。最近、外で音楽を聴く機会が多く、最近では電車に乗る機会も多かった。どこで買っても値引きはほとんどなく、ほぼ定価だったが、発売からしばらく経って、価格の見直しが行われて買いやすくなったので、手に入れた。
持ち運びに便利なケースが付いていて、折りたたんで収納できる。意外とコンパクトにまとまる。私が持っている小さめのショルダーバッグに入らないが、トートバッグには入る。
早速使用してみて、すぐに愛用品となった。これは購入してみて良かった。さすがにBOSEはソニーと並んでノイズキャンセリングの高い技術力を持つだけあって、想像以上に良い買い物だった。
ノイズキャンセリングの威力が凄い。どのくらい凄いかというと、iPodで、40%くらいのボリュームで、地下鉄でシューベルトのピアノソナタを快適に聴けるレベル。
ノイズキャンセリングをオフにすると、ピアノの器楽曲は全滅。遠くで人がささやいているのが微かに聴こえてくるような感じだ。音楽をかけているだけ、時間の無駄に思えてくる。オーケストラも苦しい。ブルックナーだとフォルテしか聴こえない。ジャズでも繊細な部分は伝わらず。ロックやポップスなら聴けるというレベル。それが地下鉄の車内という環境。なのに、ノイズキャンセリング機能をオンにするとシューベルトを聴ける。目を瞑ると、ここは誰もいない無機質な広い空間で、研ぎ澄まされたピアノの音色だけが聴こえているみたいだ。通勤電車とは別世界の深淵な音楽の広がりを感じることができる。もちろんショパンも聴ける。クラシック全般オーケーだ。
音質はBOSEらしくメリハリが効いていて、私は嫌いではない。一般的に、BOSEのヘッドホンやスピーカーはクラシック音楽向きではないと思われているが、ショパンのバラードなどでも、けっこう細かいニュアンスも再現していたので驚いている。
ノイズキャンセリングをオフにすると、再び外の騒音が押し寄せてくる。音楽が隠れてしまう。自分はこんなに騒がしい世界に住んでいたのかと、眩暈がするほどだった。そして私は再びノイズキャンセリングをオンにして、音楽の世界に浸ることにする。
値段が下がったとはいっても3万5千円ほどで、とても安価とは言えないが、快適さを購入したと考えれば納得できる。良い買い物だったと喜んでいる。