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ロジャー・ノリントン


サー・ロジャー・ノリントン(Sir Roger Arthur Carver Norrington,1934年3月16日-)


ノリントンはイギリス出身の指揮者で、実力は相当なものがあると思いますが、最近の売れっ子のサイモン・ラトルなどと比べると、また、あるいは日本人指揮者の佐渡裕さんと比べても、一般的な知名度は低いのではないでしょうか。

何しろ、写真写りが悪い。

もうちょっと良い写真を使ってくれてもいいんじゃないかなと、気の毒になるくらいです。

(コンサートのチラシの写真を見て行く気が失せかけました。)

実物はスラッと背が高くダンディーで指揮姿も優雅なのですが…



今日は大阪のワルティ堂島で、ノリントンのCDを購入。



ホルスト:惑星

ホルスト:惑星

 このCDは、とくに新しいCDではないので、持っている人も多いはず。クラシックの超有名曲、ホルスト組曲「惑星」です。平原綾香が歌詞をつけて歌った「ジュピター」が有名なので、まず、そこから聴くことに。ノリントンシュトゥットガルト放送交響楽団のコンビは、ノン・ビブラートの古楽器奏法を現代楽器で再現した、あっさり型の演奏をするので、オーケストラの迫力が示されるこんな曲ではどうかな〜。しかし予想を裏切り、あっさりした響きがこの曲に合う。曲の違った魅力を発見した気分です。力ではなく切れで勝負、という印象。第一印象は最高。長く付き合えそうな演奏です。



 最近、私はシューマンをよく聴いています。3番「ライン」の印象から。この曲は、ライン川の大らかでゆっくりとした流れを連想させる、詩情豊かな曲です。指揮者とオーケストラの特長から、聴く前は、速いテンポで疾走するのかと思ったら、ゆっくりとしたテンポ。音の響きははっきり言って、軽い。密度は、薄い。しかしこういう演奏、私は好きです。各楽器のパートが浮かび上がるような響きは健在。ゆっくりとしたテンポをとることでそれが鮮明になっています。この曲の今のところのベストは、デイビッド・ジンマンがチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団を振った全集ですが、ノリントンのCDも違った良さがある。聴き込んでみる価値はありそうです。



70歳を越え高齢に差し掛かっていますが、これからも元気に活躍してほしい指揮者の一人です。