3大ヴァイオリン協奏曲
「世界三大〜」と呼ばれるものがあるが、甚だ怪しい。
世界三大美術館と言われる、ルーブル(フランス)、エルミタージュ(ロシア)、メトロポリタン(アメリカ)はよく言われるので何となくわかるにしても、
世界三大スープというと、「トムヤンクン」が挙がる以外は、ブイヤベース、ふかひれスープが挙がることが多いが、ボルシチやミネストローネを挙げる人もいて、なかなか定まらない。
私なら、うなぎの肝吸いだ。
ウィキペディアに「世界三大」という項目があったので驚いた。
世界三大がっかり名所なんてのもある。
世界三大スポーツイベント、世界三大RPGなんてものもあった。
◇ ◇ ◇
そんな「世界三大〜」だが、クラシック音楽の3大ヴァイオリン協奏曲といえば、ベートーヴェン、ブラームスにメンデルスゾーンだ。
しかしブラームスの代わりにチャイコフスキーを入れる人もいるので、
この3大ヴァイオリン協奏曲も、甚だ怪しい。
ところで、これからクラシックを聴き始めようとする人は、どんな曲から聴き始めるんだろうか?
ベートーヴェンだったら、第五か、「英雄」、あるいは3大ピアノソナタ(これも!?*1)?
ショパン?
私なら、3大ヴァイオリン協奏曲をおすすめしたい。
ベートーヴェンは威風堂々。
メンデルスゾーンは華麗にして繊細。
ブラームスは重厚。
名曲だけあって、名演ぞろい。名盤ぞろい。
そこで、今日のチョイス。
- ベートーヴェン
- アーティスト: ハーン(ヒラリー),ベートーヴェン,バーンスタイン,ジンマン(デイヴィッド),ボルティモア交響楽団
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 1999/03/20
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- ブラームス
- アーティスト: ハーン(ヒラリー),ブラームス,ストラヴィンスキー,マリナー(ネヴィル),アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
- 発売日: 2004/11/17
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- メンデルスゾーン
- アーティスト: ハーン(ヒラリー),メンデルスゾーン,ショスタコーヴィチ,ウルフ(ヒュー),ヤノフスキ(マレク),オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
- 発売日: 2003/01/22
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3曲全て、ヒラリー・ハーンでまとめてみた。3曲の演奏全てに共通するのがスピード感。べったりとしてなくて涼しげな演奏。無理に感情を込めないメカニカルな演奏によって、曲の美しさが出ている。私は、大阪の演奏会でヒラリー・ハーンの演奏に接して以来、曲への見通しのよさと、どんなにスピードを出しても破綻しない確かなテクニックに感嘆し、彼女のファンになったのだが、CDで聴く演奏も素晴らしい。
- 最近のCDではこちら。
ヴァイオリンは庄司紗矢香さん。これはヒラリー・ハーンとは対極にあるような演奏。ゆっくりと歩みを確かめるようなテンポ。これは、ヴァイオリンの音色がなんともいえない美しさだ。消え入るような余韻が心の琴線に触れる。素晴らしい演奏。併録はチャイコフスキーなので、3大ヴァイオリン協奏曲にブラームスでなく、チャイコフスキーを入れたい人にもオススメできる。
これからクラシック音楽を聴き始めようとするひとには、こんなあたりからのアプローチは如何。
*1:『月光』、『悲愴』、『熱情』の3曲