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ブラームスを聴きたい季節がやってきた・交響曲第3番


ブラームスを聴きたい季節がきた。


朝夕がだいぶ涼しくなってくるとブラームスの季節だ

私はクラシック音楽なら何でも聴くし好き嫌いはない方だが、曲を聴く季節には割にこだわる方だ。


例えば、夏にブラームス交響曲第1、3、4番を聴くには、「ある決心」がいる。

シベリウスも夏の盆休みには聴きたくない(冬に聴きたい)。

秋に、シューマン交響曲第1番「春」を聴くのもどうかと思う。


ところでブラームスというと、秋に聴きたい作曲家の筆頭だ。


なぜ秋に聴きたくなるかというと、華やかでなく、地味な音楽が多いからだ。

重苦しくて、どこか深刻な気分になる。

神妙に聴いてしまう。

読書をしながら聴きたい。

考え事をしながら聴きたい。

こういう音楽は、秋に向いている。


ブラームスの作品は全体的に、重々しく、渋い。

そこが魅力だ。


ブラームス交響曲だけでなく、協奏曲や器楽曲、室内楽曲などオペラを除いてたくさんのジャンルの作品を書いたが、ポピュラーなのは交響曲だろう。


ブラームス交響曲第3番は、1番、2番、4番と比べ、ある意味もっともブラームスらしいと思う。


4楽章構成のスタンダードな曲だが、1番や2番と違って勝利のフィナーレで終わる曲ではない。

だからコンサートでは盛り上がらないのだが、しみじみとした魅力があって飽きない曲だ。

哀愁のある第3楽章、情熱的な面を見せる第4楽章も最後は、美しく静かに終わる。

メロディは大変に美しい。


ブラームスのメランコリックな心境と高い芸術性がシンクロして、聴けば聴くほど味わいの出てくる曲だ。


2番ほどポジティブでなくて、4番ほど悲壮感が漂っていない。

いわば「枯れて」いる。


◇  ◇  ◇


この曲のCDには、愛聴しているものがある。


ヴァント旧盤

ブラームス:交響曲全集

ブラームス:交響曲全集

ヴァント新盤

ブラームス:交響曲全集

ブラームス:交響曲全集


伝統的なブラームスだ。旧盤と新盤があるがどちらかといえば、お勧めは旧盤だ。どちらもギュンター・ヴァント指揮、演奏は北ドイツ放送交響楽団による、とても重厚な演奏だ。ブラームスに期待するものをすべて持っている上に、楽器のバランス、テンポも洗練されている。この曲のスタンダードといっても良いほどだ。新盤はライブ録音ということもあって、勢いがあるが安定感にかける部分がある。音もリマスタリングされた旧盤の方が良い。価格も安いのでお勧めだ。


ブラームス:交響曲第3番&第4番

ブラームス:交響曲第3番&第4番


ダニエル・ハーディングは1975年生まれの若い指揮者だ。サイモン・ラトルのアシスタントなどを経て、キャリアを磨いた。現在は指揮者のクラウディオ・アバドが創設したマーラー・チェンバー・オーケストラの初代音楽監督を務める。つい先日、来日したので、聴きに行かれた方は多いと思う。重さではなく切れでの勝負だが音楽作りは非常に丁寧だ。早朝の澄んだ空気を思わせる爽やかな音楽だ。こういうブラームスも良い。


◇  ◇  ◇


秋がもう少し深まって冬の声を聞くようになると、私はブラームスの4番を聴きたくなってくる。


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