シノーポリのマーラー4
アバドとムーティは随分前から第一線で活躍しているが、今ノリにノッているのはシャイーとファビオ・ルイージだろう。
シノーポリもイタリア人だ。まだ若かった。オペラ指揮中の突然の死は夭折と言ってよいほど。昨今の他のイタリア人指揮者の活躍を目にすればするほど、惜しい。
シノーポリのマーラーの交響曲第4番が、『ドイツ・グラモフォン・ザ・ベスト1000』シリーズ(→ユニバーサルクラシックのHP)で廉価で販売されていたので買ってきた。
- アーティスト: シノーポリ(ジュゼッペ),グルベローヴァ(エディタ),マーラー,フィルハーモニア管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2006/11/08
- メディア: CD
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4番は、指揮者がいろいろ試したくなるのか、悪ノリしがちな曲だが、シノーポリはそっけない。
バーンスタインのような思い入れもなく、ラトルのような実験性もなく、アバドのような歌もない。ブーレーズのように曲の内面構造を解説してくれるような音楽作りでもない。
表面だけをさらっていくような感じ。
メロディの美しい第1楽章なのに音楽にノレない。
聴きながら、「これはマーラーの4番なのか」と思った。
少しもファンタジックではない4番なんて。
第2楽章など空中分解しそうな危うさ。
第3楽章も控えめ。
ところが対照的に第4楽章の歌のパワーは凄い。
エディタ・グルベローヴァのソプラノは、高さもあるし太さがあり温かみもある。
この部分だけでも聴く価値があるかもしれない。
4楽章を通して聴くと、第4楽章の軽さが気にならない。
バランス。
第3楽章までのそっけなさの謎が解けた。
シノーポリのアプローチはいまもって新鮮だ。
そしてグルベローヴァ、4月に来日予定だ。東京、名古屋、大阪で公演がある。
私は声楽は全くもって苦手な分野だが、この声はすごい。チケットは高価だが行くかどうか思案中。
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