「伊勢うどん」と「お伊勢参り」
1泊2日で、鳥羽・伊勢方面を旅行してきた。私は鳥羽も伊勢も初めて。
私は伊勢神宮よりも「伊勢うどん」の方が楽しみだった(→讃岐うどんの本場・香川でもうどん巡りをした)。
旅行にはその土地に向かわせる原動力や、駆り立てられる何かがあって、旅行中にそれが成し遂げられないと後でとても後悔する。
「伊勢うどん」は旅行の目的の全部ではないにしても、三分の一以上であったことは確かだ(残りは?)。
『恐るべきさぬきうどん』だったか、どの本で読んだかはっきりと覚えていないが、さぬきうどんの本に、「大阪のうどんがスープだとしたら、さぬきうどんはパスタだ」という記述があった。言い得て妙だ。「しかも茹で具合はアルデンテ」という表現は、讃岐の人にしか吐けない名セリフだ。
- 作者: 麺通団
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/04
- メディア: 文庫
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伊勢うどんは、コシがない太麺に、ダシをかけただけのシンプルなうどん。ダシは溜り醤油をベースとする甘辛いもの。
一体、どんなものなのか???
◇ ◇ ◇
伊勢神宮(内宮)参道に近い「おはらい町」を歩く。風情のある町並み。そぞろ歩きが楽しい。
写真で見るとさぬきうどんとそれほど変わらない。見かけは具のない温かいぶっかけうどん。しかし食べてみると、太麺のコシのなさは想像を絶するもので、歯のない人でも食べられるのでは!? 大阪や讃岐のうどんでは「このコシが〜」とかコシの強さを賛美しているのに、同じうどんでも違う物差しで測る食べ物なんだと思った。ダシは、もっと甘いとか辛いとか極端な味かと思ったが、旨みがあって、これだけでも飲めるほど。横にあるのは、伊勢名物の「手こね寿司」。醤油漬けのカツオが乗ったチラシ寿司。うどんに合う合う。
「おはらい町」には、旅人を迎えるお店が立ち並ぶ。多くはみやげ物と食べ物だ。赤福本店。豆腐ソフトクリーム。牛串。天ぷら。フライ。もちろん伊勢うどんも。
■カキフライ
写真はカキフライ串。一本450円。ちょっと小腹が空いたと思ったら、カキの「美味しいよ、食べてくれ〜」という声が、私だけに都合よく聞こえてきた。
「おかげ横丁」。「赤福」が開発した近世の町並み。だんご屋、コロッケ屋、うどん屋、土産物屋など様々な店が並んでいる。時代劇のテーマパークのようだ。
私は信心深いほうではないので、ひたすら観光に近い参拝を、内宮でしただけだったが(外宮は行かなかった)、日本の神社の頂点に位置する神社というところに、心中ささやかな興奮があった。なにしろ祀ってあるのは天照大神だ。生きているうちに一度は訪れてみたいという、昔の人の気持ちが1ミリほどわかった。
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