滋賀県長浜市・「鳥喜多」・名物の親子丼
先日、滋賀県の長浜市に仕事で行ったとき、昼食に親子丼の名店、「鳥喜多」に行ってきた。
滋賀県内はもとより、大阪や名古屋からでもこの店の親子丼を目当てに訪れる客もあるとか。
「鳥喜多」。とにかく有名なお店だ。
この店、昼時の行列もまた名物で、休日などはいつ食べられるのか、帰りの電車に間に合うのか、席について注文し実際に出てくるまで不安は尽きないほど。ラーメン店などと違って回転の決して良くない業態の店だ。しかも座席は18席しかないのだ。これほど絶望感に駆られる行列を私は他に知らない。
以前に長浜市に遊びに行ったときには休日ということもあって、この絶望的な行列のために泣く泣く断念したのだった(→この時は「鯖そうめん」を食べて帰った。ブログはこちら)。
改めて。
この日は平日の昼をやや外れた時間だったが、それでも店内は混雑していた。でも並ぶほどではなく、すぐに入店することが出来た。
◇ ◇ ◇
座って注文を済ませ、待っていると、新たに3人の客が入ってきた。
3人席は空いていない。
この人たち分かれて座るのかなあと心配に思っていると、
店員が申し訳なさそうに私に席をかわってもらえないかと言ってきた。え〜!?なぜ私が。
私にお鉢が回ってきた。
しぶしぶ狭い方の席へ移動すると、私がいたテーブルにイスを1つ持ってきて強引に3人席にしていた。
落ち着かない。
なぜ私が!?
疑問は恨みに。恨みは怒りに。厳しい目で見てやろうじゃないか。
そして待つこと10分。親子丼が出てきた。
(写真を撮らなかったので画像は「ホットペッパー」より)
通常の親子丼の上に、玉子の黄身が一つのっているところが新鮮だ。
見た目には非常に美しい。食欲をそそる。肝心の味はどうか。
ンガググ。
美味しい。こんなに美味しい親子丼を私はいまだかつて食べたことがなかった。
これは実家で食べた記憶の味よりも勝る。
味を強く印象付けるのはだしのうまさだ。辛くはないが濃い目の味付けが絶妙。だしの量も多めで、いわゆる「つゆだく」に近い。
鳥は皮なしで、身を小さく切られていてそれほど目立たないが、やわらかい。
具とダシのバランスが素晴らしい。
親子丼というフォーマットの最高傑作といえる。
しょせん親子丼というなかれ、所詮どんぶりと馬鹿に出来ないなと思った。どんぶりと向かい合って襟を正して食べた。
席をかえられた恨みから厳しい目で採点してやろうという目論見は外れた。
そんな浅はかで皮相な考えはどうでも良くなった。
予想をはるかに超える美味しさを味わった後の気持ちは、清々しさに満ち溢れていた。
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