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ベルリン・シンフォニカー×ナイデン・トドロフ


知名度では、同じベルリンのオーケストラの中では、ベルリン・フィルやベルリン・ドイツ響、シュターツカペレ・ベルリンに及ばないのは仕方がないとしても、ベルリン放送響、ベルリン・コンツェルトハウス管(旧ベルリン響)にも負けているのではないか。


クルト・ザンデルリンクとの関係が深かったベルリン・コンツェルトハウス管(旧ベルリン響)が東ドイツのオーケストラだったのに対し、ベルリン響(シンフォニカー)が西側のオーケストラ。


日本語では両方ともベルリン交響楽団と訳していたのだから紛らわしい。

2007年6月17日(日)14:00 ザ・シンフォニーホール

指揮:ナイデン・トドロフ(リオール・シャンバダールから変更)
管弦楽:ベルリン交響楽団(シンフォニカー)
プログラム:
シューベルト交響曲第8番「未完成」
ベートーヴェン交響曲第5番「運命」
ブラームス交響曲第1番
《アンコール》
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第8番ト短調
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第1番ハ長調
エルガー:創作主題による変奏曲「謎」より第9曲「ニムロード」
ブラームスドヴォルザーク編曲):ハンガリー舞曲第21番ホ短調


観客がオーケストラをノセることはよくあるが、今日はそんな演奏会だった。


大阪の観客はノリがよくオーケストラをノセることが多いが、今日は見事にオーケストラをその気にさせた。


先日のロシア・ナショナル菅の来日公演で空席が目立ったシンフォニーホールも9割方埋まっていた(→その時のブログはこちら)。ひょっとしてみんなベルリン・フィルと間違えたんじゃないか!?


「未完成」はどこかよそ行きで、この調子で「名曲コンサート」らしく粛々と終わるのかと思っていた。「運命」の第4楽章の出だしのティンパニもやや合っていなかった。


しかし「運命」が終わった後の拍手喝采で、オーケストラが意地を見せた。


オーケストラの団員は比較的ベテランから高齢の団員が多いように思ったが、ややぎこちないが元気な指揮者のドライブもあって、時間が経つごとに若返っていくような錯覚を覚えた。


「未完成」より「運命」が良く、休憩を挟んでのブラームスの1番はもっとすごかった。


前半と後半で集中力(演奏の熱さ)が全然違っていた。


第2楽章の繊細さもよかったし、第4楽章のフィナーレは怒涛の勢いだった。


比較的小規模の編成だったので、重厚だとかド迫力だとかバカ上手いとかいうわけではなかったのだが、コンマスを筆頭に第1ヴァイオリンの音色にとても個性があった。


アンコールも4曲もやってくれるとは、サービス精神も旺盛だった。


観客の後押し。オーケストラが化けた。この雰囲気もあって、全体的には良い演奏会だったと思う。


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